・メモ

MJGでポルトガルの民族音楽とも言えるファドのライブに行ってきた。津森氏は舞台女優からファド歌手に転向され、渡辺氏は演奏歴数十年のベテランのギタリストだ。今回も小島氏の紹介で実現したライブだが、小島氏は病気療養中のため今回も欠席となった。一刻も早い回復を望みたい。

 

さてファドだが、その名前は知っているものの実際に聴いたことはなかった。津森氏の歌声を聴いていると雰囲気的にはブルースに近いかな。舞台女優だったこともあり情感たっぷりに力強く歌い上げるパフォーマンスはかなりの迫力だった。また津森氏の関西の姉ちゃん的トークと、渡辺氏のオヤジギャグも場の雰囲気を和ませてくれた。そういえば渡辺氏は十二弦のポルトガルギターを巧みに演奏されていたな。

 

今回のパフォーマンスでは、津森氏が1曲毎に曲の意味・情景を日本語で丁寧に解説した上でポルトガル語の歌詞を歌うのでポルトガル語が分からなくても歌の描く世界を理解することができた。以下に、話題になった事柄を順不同で簡単にまとめておく事にする。

 

- ファドにはポルトガルの歌という意味と同時に、運命という意味もあるそうだ。なるほどブルースに通じる物悲しいメロディに乗る歌は運命を感じさせる切実なものが多かった。

 

- ファドは小ぶりのスペースでライブをすることが多いとのことだ。なのでMJGでのライブはポルトガルのイメージに近いという。最前列だった私も演者が近くかなり緊張したw

 

- 切々と歌い上げる感じのファドだが、歌詞については最終的にポジティブな内容が多いそうだ。嘆くだけでなくそこから脱却しようとする姿勢が歌詞に織り込まれているらしい。そこにはカソリックというお国柄が如実に反映されているとのことだ。

 

- ファドの拍手は一曲が完全に終わる前に湧き上がってくるものらしい。そうするとリスポンでのライブっぽくなるw

 

- ポルトガルギターはマンドリン状の形状をしているが裏側はフラットで丸みを帯びていない。最近はライブを見ることが増えたが、ポルトガルギターを演奏する人を見たことはないな。

 

- ファドは年配の歌手が悲しい歌を歌うイメージがあるが、実際には明るい曲調のファドもあるし、実は若手の歌手も勿論いる。

 

- あまりイメージがなかったが、ポルトガル人はとにかくポジティブだという。津森氏のポルトガル人の師匠の口癖は

「お前は素晴らしい」

 

・演奏者

 津森久美子    ギター、ヴォーカル

 渡辺隆哉     ポルトガルギター

 

・演奏楽曲

開演前

 

- 第1部

11 fado menor(ファドメノール)

12 marujo portugues(ポルトガルの水夫)

13 naufragio(難船)

14 リスボンのセレナータ ← ギタラーダ

15 meu fado meu(私のファド)

16 oica la o senhor vinho(お聞き下さいワイン様)

 

- 第2部

21 trago fado nos sentidos(私の中のファド)

22 barco negro(暗いはしけ)

23 estranha forma de vida(このおかしな人生)

24 maria lisboa(マリアリスボア)

25 tudo isto e fado(すべてこれファド)

26 cheira a lisboa(リスボンの香り)

 

- アンコール

31 amor de mel, amor de fel(蜜の恋、苦い恋)