・メモ

 しがない殺し屋のオーラヴは、依頼人のダニエルから妻殺しの仕事を請け負う。妻のコリナを見張っているうちにコリナに惚れたオーラヴは、コリナではなく浮気の相手を射殺する。しかしその男はダニエルの息子だった。ここから話は急展開しオーラヴはダニエルの商売敵である漁師と組んでダニエルを狙うことになる。

 

ダニエルは無事殺すことができたが、漁師の部下のデンマーク人に撃たれオーラヴは瀕死の重傷を負う。コリナの待つ部屋に戻るオーラヴだったが、コリナが漁師と組んでいたことが明らかになる。薄れゆく意識の中でオーラヴは車を運転し気がかりだったマリアの職場であるスーパーの前まで行くが、そこでこと切れ、次の朝全身を雪で覆われた形で立ち尽くしている姿を発見される。

 

物語自体はオーラヴのちょっと饒舌でユーモア溢れる語り口が気が利いていて面白いが、ダニエルを襲った後、デンマーク人に撃たれてからの劇的な展開がかなり読ませる。この作家は別の作品も読んでみたい。

 

[その雪と血を/864円]

[ジョー・ネスボ著、鈴木恵訳/早川書房(2018/11/25)]

[207p/978-4-15-183701-2]

[殺し屋、識字障害、浮気、漁師、雪、射撃、ヘロイン、ヒモ、マリア、コリナ、オーラヴ・ヨハンセン、パルプ・ノワール]

[ハヤカワ・ミステリ文庫 HM470-1 8276][初店][0060]