寺山修司と生きて
2,052円
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・メモ
寺山修司の公的な面でも私的な面でもパートナーだった女性が長い時間を経過したのちに彼との思い出を綴った書。こう書いてしまうと記憶が淡々と記述されているように一見思えるが、内容は壮絶なものになっている。
重病を患いながら仕事をやめず最後まで周りを混乱に巻き込む寺山、寺山後期から死後以降急速にモンスター化していく寺山母、文学を理解していると自認している最後の主治医、寺山のぞき事件の通報者だが、実は寺山評論家と言った側面も持っていた男、超個性的な天井桟敷、演劇関係者たち、彼らと時に協力し、時に反駁する、夢想的な筆者、これらの人々の日々が綴られており内容は非常に重い。
田中氏は筆者なので、田中氏の視点から非常に癖のある人々との葛藤の日々が綴られているが、記述内容には筆者の独断と偏見がかなり多く含まれていて困惑させられる。
この本を読んでみて思ったのは寺山自身、そして田中氏を含めて寺山の周囲で起こった事に関しては、全ての人々が少しずつ加害者の面を持っているという感じがする。今後寺山の作品にも当たってみよう。
正剛くんはこう言ってる。
[寺山修司と生きて/¥2,052]
[田中未知/新書館(2007/5/14)]
[378p/978-4-403-21094-5]
[本質よりも存在を、モンスターとしての母、最後の主治医、全てが敵、前妻、告発者/評論家、言葉、剽窃、千1197]
[単行本][初図][0020]