・メモ

米国の画家ベン・シャーンの作品にやはり米国出身の作家、アーサー・ビナード氏が翻訳文をつけた作品だ。対象としているのはビキニ環礁で米国の水爆実験に巻き込まれた第五福竜丸とその後の彼らの人生を垣間見るものだ。

 

テーマは非常に重く暗い。絵の方も暗いタッチのものが多い。しかし絵そのものは力強さを感じさせてくれるものだ。「ここが家」というテーマを考えてみると、これは地球そのものだな。空は一つに続いているので太陽も、月も、そして水爆も同じ空間に浮かんでいる。海は一つに続いているので第五福竜丸の地元である焼津にも事故のあったビキニ環礁にもつながっている。そんな心象が読み取れる。だからそんな空を陸を海を汚してはいけない。大切にしておきたいという気持ちが読み取れる。ビナード氏の日本語も不自然さを感じさせず心に残るものだ。

 

正剛君はこう言ってる。

 

[ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸/¥1,728]

[絵 ベンテンシャーン、構成・文 アーサー・ビナード/集英社(2006/9/30)]

[56p/4-00-00259-1]

[第五福竜丸、ビキニ環礁、安全地域、死の灰、自然な言葉、鮮やかだが暗い色彩、隠蔽、千1207]

[単行本][初図][0017]