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ぼくはこんな音楽を聴いて育った (単行本)
1,728円
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・メモ
「あまちゃん」の音楽を担当したことで知名度が一般にも広がった大友氏、これは彼の20歳までの半生記だ。パラパラとめくっていると、彼が私と同じ1959年生まれであることがわかる。うーんこれは面白そうだと読み進めていくと、これが実に空前絶後に面白い。同じ時代を生きた中で目にした画像・映像、耳にした音楽に実に共通点が多く、嬉しくなってくるね。今でも大好きなギャグの聞き始めは多分藤田まことの「当たり前田のクラッカー」とクレイジー・キャッツだな。そうそうクレイジー・ケン・バンドは絶対にクレイジー・キャッツを意識しているに違いないw
日本のタレントでは小林麻美に胸ときめかせたこと、音楽については井上尭之バンドの太陽にほえろと傷だらけの天使のテーマにやられちまったこと、そして海外ではベック・ボガート・アピス!、そしてエマーソン・レイク・アンド・パーマーのタルカス!と実に引っかかった事物に共通点が多い。傷だらけの天使のテーマは、ちょっとチープで軽快なサックスと、バッキングの大野克夫のホンキートンク風ピアノが実に格好いい。ベック・ボガート・アピスのライブ、ティム・ボガートの超絶リードベースに悶絶し、エマーソン・レイク・アンド・パーマーは今もなおミュージシャンとして活動する元ラフィンノーズのドラマー、従兄弟のY君に教えてもらったんだよなぁ。更に大友氏が20歳に至るまでギターがそれほどうまくなかったことも面白かった。
そして彼が高校時代に夢中になったジャズ研とジャズ喫茶、とりわけ阿部薫、高柳昌行、デレク・ベイリーには現在自分がハマり始めているところなのでこのあたりの話を知ることができて非常に嬉しかった。INCUSで聴かせていただいた解体的交感、実に刺激的で格好良かったなぁ。そしてデレク・ベイリー、こちらはINCUSとJazz Nuttyで聴かせていただいたが予測不能のメロディというよりはサックスとギターの物理的ノイズのぶつかり合いには心を奪われた。
さて同じ年に生まれ、数多くの共通点がありながら、まったく接点がないと思った大友氏だが、唯一共通点を発見した。彼も私も1978年の3月に試験があった電気通信大学に願書を出していることだ。入試直前に下見に行った途中で降りた府中本町駅から見た風景が、まさにユーミンの中央フリーウェーの光景だったことは未だに記憶に新しい。まぁその時まで電気通信大学と東京電機大学を混同していたことは今では懐かしい思い出だ。その後私は受験し、彼は受験しなかったが、もし彼が受験していたらひょっとして試験会場で出会ったかと思うとたまらなく楽しいw その後大友氏は明治大学に進み、私はせっかく受かった電通大を中退し東工大に進学した。その後のホンキートンクなてきとー人生は機会があればこのブログで書こうかな。
なお大友氏が音楽家として成長していくのは高柳昌行氏の弟子となった以降のことなので、その辺りの顛末は本書にはまったく書かれていない。近いうちに書籍として読んでみたいぞ!
[ぼくはこんな音楽を聴いて育った/¥1,728]
[大友良英/筑摩書房(2017/9/10)]
[296p/978-4-480-81538-5]
[クレージーキャッツ、ウルトラQ、サイボーグ009、光る風、ホモホモ7、T-REX、デレク・ベイリー、タルカス!、キング・クリムゾン、BBA!、ジャズ喫茶、エルヴィン・ジョーンズ、セクステット・オブ・オーケストラUSA 、マックザナイフ、タモリ、小林麻美!、解体的交感、デレク・ベイリー、新日本紀行のテーマ!、傷だらけの天使のテーマ!、太陽にほえろのテーマ!、電通大、高柳昌行、阿部薫]
[単行本][初図][0020]