[読みなおし日本文学史/¥691][高橋睦郎(著)/岩波書店 (1998/5/20)]
[220p/4-00-40550-0]
[文学史の難しさ、西行、芭蕉、和歌、連歌、源氏物語、好色一代男、猿楽能、観世父子、天皇の意思、天武天皇、神の歌、古事記、万葉集、(新)古今和歌集、無名性、口寄せ、歌・勅撰集、想像→定説、神の歌、権力・権威の確率、順序・言葉の使い方の配慮、みやびお型、ますらを型、さすらいびと型、プロトタイプ、千0344]
[単行本][初図][016]
日本文学史ということでなにげなく手にした本書、
勝手に近代〜現代に至る時代を想像していたが、
書かれている内容は、日本における文学の起源に
焦点を置いたものだった。そうなると古事記や
万葉集、古今和歌集といったものが話題に上って
くるが、筆者は、初期の段階でこう言った歌の選
定に時の権力者(=天皇)の意思が働いた極めて
政治的なものであったことを教えてくれる。歌の
中の世界を現実の世界と重ね合わせることで、
自らの血統の正当化を図ったり、強いだけでなく
恋愛の歌を天皇自身が歌うことで(代作可)、
人間としての魅力のアピールを行っていたという
のは実に納得できる話ではあるな。ただ、本書中
で頻繁に記述される筆者の解釈というか思い込みは、
こういった人文科学における研究の難しさを感じる
ことも事実だな。実験のしようがないからね。
誠剛くんはこう言ってる。
・メモ原紙
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読みなおし日本文学史―歌の漂泊 (岩波新書)
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