[城/¥1,512]

[カフカ、池内紀(翻訳) /白水社(2009/1/30)]

[460p/978-4-560-07155-7]

[ペピー、ゲルステッカー、アルトゥーアとイエレミアス、バルナバス、没個性、フリーダ、クラム、オルガ、助手、無知、千64/1624]

[白水uブックス カフカ・コレクション][再][59]

 

久しぶりに再読してみた。

で、今後二度と再読することはないと思う。

この小説、実に読者を不愉快な気持ちに

させてくれる。前回読んだときは、近くて

遠い城という存在、そして不気味な人々、

さらに唐突な終わりというか中断に翻弄

された感が強かった。

 

今回改めて読んでみると、もうすこし違った

読み方ができるようになった。本書はカフカ

がしかけた不愉快なプロットだな。結局の

ところ、何人もの登場人物達は、雄弁に

持論を語るが、それは事実でも真実でも

ないことがすぐにわかる。つまり頼るべき

存在が本作品には存在しないのだ。これが、

本書を読む人間を不安にさせる要因だな。

また各登場人物が敵対的なのか友好的なのか

賢いのか馬鹿なのか、感情的なのか冷静

なのかが極めてわかりにくくなっている。

実はカフカにとってはどっちでも良い。

要は読者を混乱させたい、不快にさせたい

ということに尽きるんだな。

いや、実に腹立たしい。

 

誠剛くんはこう言ってる。