- 排泄物と文明: フンコロガシから有機農業、香水の発明、パンデミックまで/築地書館
- ¥2,376
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[排泄物と文明/¥2,376]
[ディビッド・ウォルトナー・テーブズ著、片岡夏実訳 /築地書館(2014/5/120)]
[222p/ 978-4-8067-1476-7]
[言語学・生態学・公衆衛生、エクスクレメント、プープー、ドゥードゥー、リン・窒素、シーシュポス、コピ・ルアク、膜を持つこと、排泄物と水管理、エキノコックス、シスト、グアノ、千1562/1562]
[単行本][初図][123]
なんとも面白い本だ。
普段暮らしている時、あまり排泄物について考えることはない。
むしろ考えないようにしていると言った方が良いかもしれない。
トイレで水を流す瞬間、いつも必ず微かに不安になり、
そしてその姿が消えるとホッとしてそして忘れてしまう。
そんなつながりしか普段はないな。
本書では、著者が排泄物について、言語的な観点、
生態学的な観点、公衆衛生上の観点から様々な
考察を加えていく。文体としては賢い理系の研究者が
楽しく分かり易く書いた感じかな。だんだん引き込まれて
行き楽しく読み進めることができた。
本も終盤に進むと排泄物という言葉になんの抵抗感も
なくなり、なんだか凛として純なものに感じられて
くるのが不思議だw
本書を読んでわかったこと、それは排泄物が現在においても
重要な栄養源であり、燃料であること。有効活用の道を
探ることは今後も重要なテーマになりそうだ。
特に、栄養源ということについては、一部の動物が
栄養をビタミンを摂取するため自らの排泄物を
食べることがあるという記述にはびっくりさせられた。
なるほどね。一方でいわゆる寄生虫を介して
多くの病気が伝播する記述には戦慄させられた。
排泄物と飲料水とを分離して管理することの重要性も
痛感させられた。
最後に、訳者は場面場面で排泄物、クソ、うんち、ウンコと
訳をを使い分けているが、どういう基準なんだろう。
元の文でも違う言葉を使っているのかな?
正剛くんはこう言ってる。