泥棒日記 (新潮文庫)/新潮社
¥761
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[泥棒日記/¥761]

[ジャン・ジュネ著/新潮社 (2011/9/30)]

[426p/978-4-10-211901-3]

[交錯する時間の流れ、犯罪者には花を、美学、性愛、リュシアン、勃起、男根、虱、薬用ワセリン、スティリターノ、サルヴァドール、千0346]

[新潮文庫 1834 シ-7-1][再図][113]

なんて書いたら良いんだろう。
実に不思議だ。もしジャン・ジュネが女だったら、
阿婆擦れの日常を綴ったエッセイになるんだろうか。
しかし、ジャン・ジュネは男であり、同性愛者であり、
犯罪者だ。

しかもたちの悪いことに彼には罪悪感が無い、
というか持ち様がないんだろう。
人が息をするように、生活するために働くように、
まさに彼は男に体を売り、ものを盗み、暴力を振るう。
なにしろごくごく自然な行為なだけに罪悪感も反省も無い。

ただ、文章は抜群に巧い。いったい文章をかく技を
どこで磨いたのだろう。残酷で惨めで純粋な
ジュネの世界はかなりハマる。
だって読んでいると犯罪者というのは選ばれし者達で、
男の男根は神々しいままにそそり立つ神器だし、
男同士の戯れ言は天使の歌声になってしまうのだから。

正剛君は
こう言ってる。