[ハイゼンベルク他、青木薫訳 /筑摩書房 (2008/1/9)]
[219p/978-4480091277]
[219p/978-4480091277]
[ハイゼンベルク、ディラック、ベーテ、ウィグナー、クライン、ランダウ、リフシッツ]
[ちくま学芸文庫ハ28 1][初図][068]- 物理学に生きて―巨人たちが語る思索のあゆみ (ちくま学芸文庫)/筑摩書房
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1968年、トリエステの国際理論物理学センター
に集った物理学の巨人達が語った物理にまつわる
お話が本書には収められている。
登場するのは以下の人々
・ハイゼンベルク
・ディラック
・ベーテ
・ウィグナー
・クライン
・リフシッツ(、ランダウ)
何れも学生時代の教科書や参考書で
おなじみの面々だ。
この中でリフシッツは病床に伏せる
ランダウの思い出を語っている。
それぞれの語り口では、
ディラックが丁寧でわかりやすい
説明をしていたが、本書の後半を
占める訳者あとがきを読むと
人に歴史ありということを痛感
させてくれる。
・ハイゼンベルク
量子革命では若々しい青年だったが、
本書では好々爺のようなイメージだ。
しかし、戦時中はドイツに残ったため
原爆開発に参加するのを防ぐため、
誘拐や暗殺の対象になってたとは
驚きだ。
・ディラック
量子力学の教科書の筆者としても
有名なディラック、変人ぶりも
想像以上だったらしい。
・ベーテ
ベーテは名前は知っているが
著作等は読んだことはないな。
戦時中はアメリカに渡りマンハッタン
計画の中心となったとか。うーむ
・ウィグナー
ウィグナーは群論の著作が
あったな。読むことはなかったけど。
この人は晩年は物理学からずれて
危ない方向に行ってしまったらしい。
残念。
・クライン
クラインは余り記憶にない。
多分クラインの貢献する分野まで
院生のころに理解が達して
いなかったンだろうと思う。
この人の業績については
これから注目だな。
・ランダウ・リフシッツ
この2人は教科書の筆者として
馴染みがあるな。
ランダウの変人ぶりが紹介され
ているけど、これ以外にも
いくつか知っているものがある。
どうも体調が優れないので原因を
とことん考えていたら、
実は食事をしていなかったとか、
8時間くらいかかる道を徒歩で
歩いてしまったとか、仕事に
夢中になって3日間位貫徹して
しまったとか。
そんなランダウが、スターリン
体制に異議を唱え処刑寸前まで
いっていたとは。驚きだね。
このころの物理学者達は何らかの
形で戦争に関わっているんだなぁ。
今はちょっといい時代かも。