金枝篇 (4) (岩波文庫)/岩波書店
¥735
Amazon.co.jp

[フレイザー 永橋 卓介    岩波書店; 改版 (1967/01)]
[304p/978-4003421642]

[神を食す、アイヌ、ラップ族、熊、鰐、蛇、初潮、千1199]
[岩波文庫 34-216-4][初図][025]

金枝篇の最後の1巻。
ここでのトピックスは神にみたてた動物を食すことで、
神の持つ超人的な力を取得することだ。
他にも穢れと畏怖の念が実は単に1つのものの
表裏一体の面を見ているに過ぎないことを
指摘してくれている。

全5巻を通して分かるのは、人間の愚かさと面白さと言ったところか。
思い通りにならない現実に直面した結果、神を仮定して信仰する。
そうしても思い通りにいかない時は犠牲を捧げることで
それを解消しようとする。ランダムに行なう儀式の中で、
たまたまうまくいった儀式が、儀式のシーケンスに追加され、
段々と儀式は複雑怪奇な様相を呈していく。
科学という武器を持たなかった時代、人間が生きていくには
こうするしかなかったんだろうなぁ。不思議な動物だね、人間って。