『アラビアン・ナイト 17 』
[池田修/平凡社 (1991/03)]
[324p/9784582805307]
[ヌール・アッディーン、帯編娘マルヤム、インドの王ジュライアード、大臣シャンマース、ワルド・ハーン王、千1400]
アラビアン・ナイトもいよいよ終盤、今回は第17巻。いくつかの
短編を除くと中心となるのは、ヌール・アッディーンと帯編娘マルヤム
が活躍する物語と、インドの王ジュライアードと大臣シャンマースの物語の2つの
中編。どちらも荒唐無稽な話だが、最終的にはハッピーエンドで終わっている。
後者では、女のずる賢さと愚かさが話の中心になっているが、差別的と言えないことも
ない。また、同じ話の中で王子のワルド・ハーンとシャンマースが様々な話題に
ついて議論をするが、この中で語られた話が、多分当時のイスラム世界での教養と
考えられていたものなのだろう。物語の展開はともすると類型的で、ストーリの
破綻も見られるが、こういった議論の部分は読んでいて楽しい。さてあと1巻!