この度の東北地方太平洋沖地震で被災されました皆様には、

心よりお見舞いを申し上げます。

また、犠牲となられました皆様には深くお悔やみ申し上げます。


この度の震災に関する年金関連の特別措置は現時点では下記のとおりです。


<社会保険料の納期限の延長>

次の①及び②に該当する社会保険料(健康保険、厚生年金保険及び

船員保険の保険料並びに子ども手当に係る拠出金)については、

その納期限が延長されることとなりました。

 ① 平成23年3月11日以降に納期限が到来するもの

 ② 次の地域に所在地を有する事業所、事務所、船舶所有者及び

被保険者等が納付するもの

青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県

 ※ 対象地域は今後見直しがあります。

この措置に該当する場合で督促状が届いた場合は破棄下さい。


延長された納期限がいつになるかは未定です。

法律上は災害終了後2か月以内の期日となっていますが、

具体的な日程は、後日、日本年金機構からお知らせがあります。


金融機関の口座から口座振替(自動引落し)されている場合は

引落しが停止されます。延長された納期限が決まりましたら

納付書が送られてきますので、金融機関の窓口で納付なさって下さい。

再開時には自動引落しされませんので御注意下さい。



<国民年金保険料の免除>

住宅、家財、その他の財産について、おおむね2分の1以上の

損害を受けられた方等は、ご本人からの申請に基づき、

国民年金保険料が全額免除になります。


免除となる対象者の範囲の詳細や申請手続きについては、

市区町村またはお近くの年金事務所へお問い合わせください。


免除の申請手続きは、平成237月末日までに行ってください。


手続きには、

「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」

http://www.nenkin.go.jp/main/individual_01/pdf/shinsei.pdf

「被災状況届」

http://www.nenkin.go.jp/main/individual_01/pdf/hisai.pdf

が必要です。


国民年金保険料の免除は必ずご本人からの申請が必要です。

自動的に免除されることはありませんので、必要な方は、

必ずご自身またはご家族の方で申請手続きをなさって下さい。

尚、免除された月数分は老齢基礎年金の額が少なくなります。

10年以内でしたら追納できますので、余裕ができられましたら

納付を御検討下さい。


先日お話いたしました「運用三号」については、

とんでもない方向で話題となってしまいました。

マスコミの扱いは運用三号の問題点そのものより、

大臣のクビの話ばかりとなってしまったのが残念です。

マスコミは何を一番重要に考えるべきなのか?を

再考していただきたいと思います。


さて、その運用三号ですが、

さすがにこの事態となっては変更せざるを得ないとなったようです。


主婦年金救済、全期間で追加納付可能に政府方針:日本経済新聞

http://s.nikkei.com/hN3LEb

(新聞社Webサイトの記事のため、時間経過により

リンク先が削除される可能性があります)

この記事は、厚生労働大臣から出された

「第3号被保険者の記録不整合問題への対応について」

という文書をもとに書かれているようです。


くれぐれも勘違いなさらないでいただきたいのですが、

これはまだ決まった話ではありません。

まだこれから国会で審議をされ採決されて初めて決まりますので

今後、内容が変更される可能性もあります。

行動を早まらないように御注意下さい。


新しい案では、まず申請期間が3年間に定められています。

三号未納と違って、いつ申請しても良いわけではないようです。

これは、御自身がその対象となっていらっしゃるかどうかが

わかりにくいと思われますので、何らかの対応が必要でしょう。

今までのような単純な「広報」では不十分と思われます。

例えば、該当されると思われる方々へ通知を送るなどの

必要が生じると思われます。しかし、それにかかる経費と、

それでも漏れがあった場合にどうするのか?の問題があります。

現に、今でも三号未納の手続きをされていない方がおられます。

年金記録問題がいまだに解決しないのは、ご本人からの申し出がない

という理由も大きいのです。

年金記録の修正は、言うほど簡単に解決するものではありません。


そして、この本来一号であった期間については、

まずはカラ期間とするようです。

それによって、年金受給そのものはできるようになりますが、

当然に保険料未納分については年金額は減額されます。

しかし、実務的にカラ期間の認定をしようと思うと、

対象となる三号期間であることを記録化しておく必要が

あると思うのですが、上記と同じ理由で完全にはできないと

思われますので、その対応を考えておく必要があるでしょう。


そして、このカラ期間に対しては、時効の2年を超えて

保険料納付を可能とするようです。

これについては、全額を一括納付できなかった場合

(仮に10年分となれば簡単に納付できる額ではありません)

分割納付も可能とするようですが、その分割の方法と期間を

どうすべきなのか?という問題があります。

また、その場合の保険料をどうするのか?という問題もあります。

当然、10年前の保険料と今の保険料では今の方が高いですが、

逆に古いものほど利子や追徴金に当たる額の上乗せも考えられます。

例えば、現行法で免除申請をした場合10年前まで遡り納付が可能

となっていますが、この場合、当時の保険料額に一定割合の

加算金が加算されます。

また、全額の追納ができず、一部分のみ追納する場合は

どうするべきなのか?については全く触れられていません。

この一部追納の場合は、どの部分を追納するかによって、

保険料の問題ではない不利益が生じる可能性があります。

そういう可能性にも考慮する必要があると思われます。


さて、マスコミ等で問題とされた時には、

単純に保険料を支払ったかどうかの損得だけの話で

盛り上がっていたようですが、

本当は、問題はそれだけではありません。

おそらく、運用三号という形を取った一番の理由ではないか

と思われるのですが、

該当される方々の相当数がすでに年金を受給されている

という大きな問題があります。

今まで、三号であるという認定で受け取っていた年金が、

大幅に減額される可能性があります。

もし仮に10年分が該当した場合、年間で20万円近い額の

減額となってしまいます。月額にして約16,500円です。

この差は非常に大きなものです。

もし年金だけを頼りに暮らしていらっしゃった場合、

大きく生活環境が変わってしまいます。

まして、今まで余分に受給していた年金を返納しなければ

ならないとなったら、どうすれば良いのでしょう?

冷静な判断を求める必要があると思います。



上に書きましたとおり、マスコミ等では保険料納付の損得ばかり

話題にしていますが、実は第三号被保険者というのは、

自身では保険料を支払ってはいませんが、制度としては

保険料を支払っていることになっています。

誰が支払っているかというと、第2号被保険者の方々全員です。

厚生年金や共済から拠出金という形で支払われているのです。

つまり、制度としては三号の扱いでも損にはなっていないのです。

もし、該当する方々の拠出金が正しく拠出されていたなら、

カラ期間扱いにするのであれば、その方々の拠出金は

それぞれの厚生年金や共済に返納しなければならないでしょう。

しかし、それに関してはどこにも記載がありません。

もし、第三号被保険者の拠出金が名目上のみのもので、

実際には拠出されていないのであれば、それこそ大問題です。

国民年金が破綻して当たり前です。

もしや、今回の「運用三号」はこれを隠ぺいするためのもの

だったのでしょうか?

今後の動きを注視したいと思います。



尚、今回の件に関して、知識人と言われるべき立場の方々が

全くなにも知らないまま無責任に発言されていらっしゃるのは

非常に残念です。


まず、届出義務制にしている事自体は行政の怠慢とは言えません。

各個人の個人情報をそこまで行政が把握しているなら、その方が

よほど恐ろしい世の中です。安易な依存はすべきではありません。


また、社保のコンピュータでは配偶者記録との記録照合はしていません。

これは私が勤務していた当時の事ですので今はわかりませんが、

しかし、問題とすべきなのはコンピュータの導入時点で、

コンピュータの利用方法の認識に誤りがあった(データ蓄積箱

としか考えていなかった)という点です。

この時に民間でのDBの利用方法等をもっと検討していれば、

多くの問題は回避できた可能性があると思うと残念です。


そして、運用三号であれ、修正されたものであれ、

今後悪用できる可能性は極めて低いということです。

委員会でこの問題を追及した議員は外国人の利用という話を

していましたが、荒唐無稽と言って良いほど可能性は低いです。

このような政争の部分を取り上げて騒ぎ立てるのは、

我々国民にとってはプラスとなることはありません。

国民は、下らない話に煽られることなく、賢く間違いを起こさないよう

注視するようにしなければなりません。

「運用3号」という言葉を御存じでしょうか?

殆どの方が目にされたことのない言葉ではないかと思いますが、

国民年金において、今年から新しく作られた制度(?)です。


国民年金は3つの被保険者(加入者)に分かれています。

・自営業者や学生等、国民年金のみ加入する第1号被保険者

・お勤めされ、厚生年金等にも加入されている第2号被保険者

・第2号被保険者の被扶養配偶者である第3号被保険者

3号被保険者は第1号と違い自分で保険料を納める必要はありません。

扶養配偶者の第2号被保険者の保険料に上乗せされているのでも

ありません。厚生年金や共済の全体の保険料から出されています。


運用3号は、この第3号被保険者の新しい形です。

3号被保険者は配偶者が第2号被保険者であることが前提です。

退職などにより配偶者が第2号被保険者でなくなった場合は、

被扶養配偶者は第3号から第1号への変更をしなければなりません。

しかし、この変更ができておらず、第3号のままになっている方が

かなりの人数いらっしゃることが判明してしまいました。

この、本来第3号ではないのに記録の上では第3号になっている方を

どう扱うのか?ということで、「運用3号」というものができました。


もし、この運用3号がなかった場合、どうなるのでしょうか?

3号被保険者として認められていた期間は第1号被保険者となり、

その間の保険料は納められていなかった事(=未納)となります。

未納となっている保険料は2年前までしか遡って納付できませんので、

3号になったままの期間が2年以上前であれば、

年金額が減ったり、場合によっては25年を満たす事ができず、

年金を受け取れない人が出てくる可能性もあります。

なので、本来第1号であるべきところが第3号となっていたからと、

一律に第1号にしてしまうのでは不都合が起きるだろうということで、

3号のままにしておこうということになりました。

すでに年金を受け取っている方については2年以内も含めて

全ての期間を第3号として保険料の納付はしなくて良いことに、

60歳未満の方は直近2年以内の部分は第1号に変更するので

保険料を支払って下さいということになっています。


さて。ここまでであれば、さほど問題があるとも見えないかもですが、

実は大きな問題が含まれています。

まず、キチンと届け出をして第1号として保険料を納めていた方との

整合性です。所謂「正直者がバカを見る」という状況になっています。

国民年金の保険料は決して安いものではありません。

それを納めていないのにキチンと納めていた方と同じ扱いとなります。

また、御自身でキチンと免除の申請をされた方の方が年金額が少ない

ということになってしまいます(個人的にはこの不合理が気になります)。

法的なお話として、本来するべき届け出をしなかった事を容認する

ということは、違法状態を国が認めるということになり

法治国家の根本が揺るがされる事となります。

それでなくても不信感を持たれている年金制度を

完全に不信の対象としてしまいかねない大きな問題です。

(一部、今後、意図的に届けを出さない人が出るのではないか?

という意見が見られますが、これは現実的ではないでしょう)


似たようなものに「3号未納」というものがあります。

これは、第3号の届け出をしていなかったために、本来第3号なのに

1号のままとなっていて、保険料が未納となっていたケースです。

この場合、第1号の未納期間を第3号とすることによって、

救済できる被保険者が沢山いらっしゃる、ということと、

3号の届け出が必要であるという告知が不徹底であったということで、

保険料を納めない扱いにするのはやむを得ないということになりました。

おそらく今回の「運用3号」は、この「3号未納」の前例を踏まえ、

救済優先ということで作ったのだろうと思いますが、

3号未納の時に比べて否定的な反応をされる方が多いようです。


おそらく、運用3号を作った人の考えとしては、

3号未納と同じく社保側の告知の不徹底があった事と、

現在では第2号被保険者とその被扶養配偶者の手続きは、

2号被保険者の勤務先が行うこととなっていて、

被扶養配偶者本人のミスではない、という事があったのでしょう。

年金制度、特に国民年金はセーフティネットの意味合いが濃く、

可能な限り年金を支払いたい、という意識も働いているのではないか

と思われます。


しかし、それでなくても年金原資が足りないと言われている事と

この救済の対象となる方の多くが比較的年嵩の方に偏っている事が

問題を大きくしているようにも思います。

3号として保険料納付を免除するのではなく、

追納(遡り納付)を該当される方だけ2年以上まで遡れるようにするべき、

という御意見もあります。これはとても妥当なことと思いますが、

仮に10年分を追納するとなれば現実的ではないようにも思います。


そもそも論をすれば、第3号などというものがあること自体が

間違えているということなのではないでしょうか。

本来、第3号は永続させるものではなかったのに、

いつまでも存続させ続ける政治にも問題があるように思います。

と共に、国民年金がセーフティネットを主軸に考えているのなら、

国民年金の財源を保険料とするのは如何なのでしょうか。


やはり、小手先の支給開始年齢の引き上げや支給額の変更ではない

年金制度の根本的な見直しが必要なように思います。