私の夫は、禿げている。
もうね、それはそれは見事に禿げている。
まだ、30代なのに。見た目だけはベテラン管理職並み。
初めて出会ったとき、階段を上がってきた彼のおでこが目に飛び込んできた。
地平線と沈む太陽?はたまた上る太陽?みたいだった。
目も二重で綺麗だし、鼻筋もすーっと通っていて、なかなかの整った顔なのに、友人たちからはそのハゲっぷりに見事にブサイクに選り分けられている彼。
でも、私にはなんだかそこがとーっても可愛く思えたんだ。
付き合い始めから禿げているって事は、とし取ってがっかり!ってのがないわけだし。
あっという間に恋に落ちて、あれよあれよで結婚してしまった。
彼は彼で、おそらくその見た目のコンプレックスもあって女の人には積極的にはなれずにいたんだと思うけれど、縁があったのだろう、私と運命の出会いをしたと思ったらしい。
私の周りの友人たちは、最初こそ、どうしあんなのと?といささか失礼かつ率直な疑問をもったようだけど。
しかし!
私はまったくもって、彼が近い未来、夫になるってことに疑問を持たずに幸せ街道をひた走って、なんだかんだと今に至る。
誰がなんと言おうと、夫のまーるいピカピカのおでこは私1人のもの。
毎日おでこをなでて、あー可愛い!と本気で思ってる。
世の婚活女性。
世の未婚男子。
縁があればどんな相手でも、不思議と収まるところに収まるもんなので、気負いせずに、
どんどん出会ってみるといい。
自分でも予想だにしなかった相手と、誰もが羨むような幸せな家庭が築けるかもしれない。
私にはほとんどこれまで誇れるようなものなんてなかったけれど、夫を夫にできたこと、夫から妻に選んでもらえた自分でいれたことを今は誇りに思っている。
隣のベッドで眠る夫の布団から出たおでこを見てそんな事を思う。
早く寝なきゃ。