米ツアー出場権 | パット上達ブログ

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パットはゴルフ上達のカギ。パットの理論(世界で唯一)からパット数の減らし方、グリーン上のウンチクなど上手くなるヒントを79歳でA.S.達成した終活まっしぐらのGreenKeeperが発信します。

ウインダム選手権で米ツアー本戦は今季の幕を閉じました。

石川遼は36位Tに終わり来季シード(賞金ランク125位以内)は得られず、プレーオフ(下部選手との入れ替え戦)の結果次第となりました。

松山英樹は15位で(ツアーメンバーではないが)賞金ランク105位相当で出場権を確定させました。

石川は高校1年当時にツアー世界最年少記録を立てるなど日本ゴルフ界の期待の星です。

そのころ松山はほぼ無名の選手でした。

二人は同年代でともに若く、今後更なる成長を期待されていますが、現時点でなぜ二人にこれだけの差が出たのか、考えさせられますね。

石川が思うような結果を残せなかった理由はいろいろあると思いますが、今季専念した米ツアーでのSTATSがその解を与えてくれると思い、データを覗いて見ました。

石川遼のSGP(→「巧拙指標の計算」)は-0.606でランク180位(石川の今季55RNDのデータ)です。

これは、石川が(グリーンの難易や、距離に関らず)全選手の平均パット数よりも1RND当り0.6打多かったことを示しています。
4日間競技に換算すると≒2.4打。

因みにT・ウッズは+0.835でランク2位、S・ガルシアは+0.831でランク3位です。

石川の他の主要なSTATSでは、パーオン率=66.03%(72位)、飛距離=291.3yds(67位)、FWキープ率55.48%(164位)とそれほど悪くはありませんので、パットが決まらなかったことが不調の要因といえます。

石川は勝つことよりもショットの1打1打に自身の魅力を見せようとするフシがあります。
「記録より」

また、この中で「パットは一度崩れると立て直すのがショットより難しい」とパットがデリケートであることは認識しています。

彼の言うとおりですが、彼自身に理想のストロークフォームがないのが原因ではないかと危惧します。自分の理想のフォームがあれば、ミスの原因も即座に認識でき、現場でも修正は可能です(*1)。
 *1:理想のフォームはいろいろとあるかもしれませんが理論的に完璧なのはこれです。→「IPS」

松山は(ツアーメンバーでないので)PGAのSTATSは公表されていないので、直接比較することは出来ないのですが、もし公表されていれば、松山のほうが良いデータになっていると思われます。

松山は頑なまでに自分のスタイルを変えません。昨年のマスターズでパット不調に陥り、帰国後先輩プロにいじられ、却っておかしくなった時期もありました(→「松山のスタンス変更」)(*2)が、今は元のスタイル(両足を大きく開き、上体の前傾が大きく、ストローク中にこのスパインアングルを微動だにさせない)に戻しています。
 *2:この記事の中で理想のボール位置についても論じました。

吉岡徹治さんは石川よりも松山のほうがパットの完成度は高い(→「GTOパットNO.1は石川」)と仰ってますが、こういうことを指していると思います。

石川へのアドバイスはいろいろな関係者から山ほどあると思いますが、私は今の石川にはS・ストリッカーの言葉が最もふさわしいのではないかと思います。
「辛抱だ!! 妻の父がコーチの私は、ずーっと同じことを繰り返し練習しているぞ」(週刊ゴルフダイジェスト2013NO.13から引用)

S・ストリッカーは今季T・ウッズに塩を送り、世界ランク1位へ返り咲かせています。→「友情効果テキメン」