件の鮨屋で 時おり 高校時代のクラスメートに遇っていた。

Aいわく「おれの頭がざるなら お前の頭は あみ。共に抜けていた。」

正解なので 折り返す言葉はなかった。


ところでこのA の体型は 太った狸に どてらそして その上にダウンジャケットを着させた様になっていたが よく喋るのは 以前と同じだった。

授業中 教師が 「A 隣と喋るな」といえば Aは 斜め前と喋る。ここらあたりまでなら 私と同等だが

彼は違った。「A  後ろに立ってろ」 といわれれば 今度は 最後列の人に話しかけていく。

「A 廊下にでろ」といわれると 彼は 廊下へ出て行く。

教師が 「これでやっと 少しは静かになる」と 授業を再開し始めると 間もなく 廊下から声が届きだしたことがあった。

「次は カーブでこい・・・」

なんだろうか?と思い 皆が窓を開け 廊下を伺うとAは なんと 隣の隣のクラスで やはり廊下に立たされていた者と シャドウーピッチングをやっていたのである。自身 キャッチャーになりきり

「よし 今度は インコース」は その声だったのである。

「隣の授業の邪魔になるから 入って来い」と 教師はAをクラス内に戻した記憶がある。


Aが静かなのは 授業中居眠りをしている時 授業中エロ本を読んでいる時 あと 弁当の時ぐらいであったことを記憶している。


夕刻 岡山発 羽田行きの B787がゆっくりと 上昇していくのが観えた。

薄い墨絵のような雲のなかを 上昇していった。