同室のネフローゼAが 自分よりステロイドの離脱が順調と聞いただけで ネフローゼにも彼にも負けてしまったような気にもなっていた。

ましてや 自分だけ取り残され 同病の彼らが退院していくのを見送るたび悲観にくれていたようにも記憶する。


それに似た思いは 社会に出てからも正直あった。

友が皆 自分より早く結婚していく時 果たして自分は結婚できるのだろうか?!。

そんな 漠然とした不安 あせり 疎外感等 様々な感情が 心の中で交錯していた。

男女 性差もあろうが 人間である以上 男にも 先を越されていっているという焦りは正直あった。

そしてその根源が ネフローゼという完治しきらない病いから立ち上げってきているものからだとなると

その切実さは ひとしおだった様にも記憶している。

ネフローゼと人生 どのように折り合いをつけ 生きていけばいいのか?!。

投げやりになったり 急に真剣になったりしながらも 悶々と苦悩していた頃でもあった。


今夕は おでん。鍋いっぱいであった。息子は片っ端から食べる。

私は 塩分と蛋白質を念頭に入れながらたべる。


食べている時 嫁さんの携帯なりはじめた。

「最近 また太ったのよ。」といっている。かとおもえば

「でもダイエットしてるのよ。」とも言っている。

だが 話し終える 残っていたおでんを 敵でも討つかのように また食べ始めた。

「ダイエット中じゃないのか?」面白半分に問ってやった。

「だって 美味しいだもん。」

どこにもある光景。どこにでもある会話であろう。