今宵の我が家は 塩焼きそばだった。 それを食べながら ふっと思い出したことがある。

今は知らないが 慢性腎炎のネフローゼは 腎ⅡB  腎ⅢBだった。

Bになると 時折外のものを食べていた。


小児科病棟の南に焼きそばやがあった。関西なまりの夫婦が鉄板を前に忙しくしていた。

この店で「腎臓の焼きそば」 というと主人が こてを鳴らしながら焼いてくれた。

味付けはソースではなく 薄口醤油だった。

その色は 今宵食べた 塩焼きそばと同じ 色白焼きそばである。


焼きあがった焼きそばが へぎに入ると 後は 奥さんが新聞紙にくるみ渡してくれる。

新聞紙から伝わってくる 焼きそばの温かさが なぜか懐かしい。


病室に戻りベッドの上で それぞれ新聞紙を広げ食べる。美味しかったし 楽しみの一つでもあった。


退院後 その店で「腎臓の焼きそば」を食べたが 美味しいとは感じなかった。

  お好み焼きも食べてはみたが 鰹節の粉がおおくて やはり美味しいとは感じなかった。


 ネフローゼも治癒しきったと感じ普通の焼きそばも食べてはみたが 味が濃すぎて自分には合わなかった。

その店の場所は 今は 居酒屋になっている。むろん 店名も変わっている。