入院時 同じネフローゼで1歳以年上のK君がいた。
彼も私もステロイドでムーンフェイス 胸部と両脇は盛り上がっていた。逆に足の筋肉は減り妙に細かった。この病気を知らない人が見たら どこか変なスタイルに見えていたことだろう。
自身鏡を見るたび 辛かった。元気だったころの自分の姿は一体どこへ行ったのだろうかと思う度悲しかった。
ある時K君が腹水で膨らんだ腹を見せ 私に言った。
「この腹の傷はなぁー・・・」 観ると へその右下あたりに褐色の擦り傷のようなものがあった。
「あんまり 腹に水がたまって 裂けた傷だ。」
本当かどうかは私には解らなかった。
K君と同じように膨らんでいる自分の腹をしげしげと観た記憶がある。
その後 私は退院。外来の診察後。小児病棟へいつものように行ってみると K君のベッドは空だった。
病室でも変わったのかと思っていたら「K君は亡くなった。」と看護婦から聞かされた。
空のベッドが妙に寂しげだったことを 私は今でも覚えている。
K君のネフローゼが私と同じ微小変化群だったのか否かは分からない。
亡くなって30年は経っていただろうか。
K君の母親を知っている人と出会い 彼の仏前に手を合わせにに行った記憶がある。