◇2回目のイスタンブール協議で停戦ならず
予定通り、ロシアは停戦を拒否した。
今回の協議では、ロシアとウクライナが互いに和平に関する「覚書」を交わした。
●ロシアとウクライナ、2度目の和平協議 大きな進展なく早々に終了
まずロシアの覚書は、次のように報道している。
「ロシア国営メディアは、今回ロシアが和平覚書の中で停戦に関する二つの「選択肢」を提示したと報じた。」
選択肢?
単純に言えば、一番目の選択肢は、停戦の条件としてロシアが併合したウクライナの領土からウクライナ軍の撤退を提示したもの。
従って、一番目の選択肢は、現在の戦線が停戦ラインになるのではなく、ロシアが併合したウクライナの4つの州境が停戦ラインとなるものである。
二番目の選択肢は、停戦の条件として長いステップといくつもの条件を並べたもので、現在の戦線を停戦時の停戦ラインとするものである。
二番目の選択肢も停戦の条件である。
それに対するウクライナの停戦条件は、無条件停戦であるものの、いくつかのステップを停戦の条件にしている。
ウクライナの覚書の内容は、以下のページにある。
●Ukrainian proposals for June 2 talks with Russia in Istanbul
https://www.reuters.com/world/europe/ukrainian-proposals-june-2-talks-with-russia-istanbul-2025-06-01/
原文ではたくさんの項目がある。
まとめて言えば、ウクライナの覚書は、和平交渉の前提として30日間の無条件停戦を言い、停戦自体は、停戦中の停戦監視とアメリカなどのヨーロッパ列強の和平協議への参加を条件にしている。
停戦は、停戦監視をアメリカとほかの国で行うと書いてある。
ゼレンスキーの思惑は、停戦後にアメリカ軍などの派兵をウクライナに行うことを目論んでいることがわかる。その派兵を停戦監視という言葉で表現している。二枚舌だな。
他方、ロシアの覚書は以下のページにある。
●Опубликован полный текст российского меморандума по Украине
ロシアの覚書は、多分停戦期間中にウクライナ大統領選挙を実施することを要求している。それ以外は、以前からロシアが主張していたウクライナの弱体化を狙ったものである。
・NATO加盟禁止
・ロシアの併合した領土を認めること
・ゼレンスキーの失脚とウクライナ大統領選挙
従って、ロシアの示した選択肢というのは、二つともウクライナに要求しているものに他ならない。
◇和平協議は合意することはない
どちらの覚書でも互いに合意に達しない。
では何のために協議をしたのかと言えば、トランプの顔を立てるだけのものにすぎず、ゼレンスキーもプーチンも戦争継続の姿勢に変わりない。
◇ゼレンスキーは、何を狙いたいか?
それは、停戦期間中のウクライナに対する西側の派兵である。
それでもって、戦争終結に向かって合意というものがないから、ゼレンスキーにとっては、停戦さえ勝ち取れば、ロシアとの合意を必要としないでウクライナに停戦監視の名のもとに派兵を求め、停戦が長続きしてもミンスク合意の破たんのようなロシアの再侵攻に期待する。
停戦を破ったロシアに対してゼレンスキーは、派兵した西側連合軍とともに失った領土の奪還に向けて戦争を再開できる。
ゼレンスキーが停戦を求めるのは、まさにウクライナ派兵を実現するためであり、ロシアの再侵攻を期待し、領土の奪還は、戦争以外に方法がないと考えているからである。
事実、ロシアに取られた領土は、戦争で奪還する以外に方法はない。
◇プーチンはトランプの顔を立てるため?
プーチンが期待するのはただ一つ、西側の経済制裁の解除に他ならない。
そのためには現在のところ、トランプただ一人がそれを成し遂げる可能性があるからアメリカとの外交チャンネルを維持する必要があるためである。
もし、トランプがバイデンを超えるような制裁を行うなら、もはやトランプは用済みでしかない。
◇今後の流れ
停戦は起こらず、戦争継続。
それでロシアに対する制裁は、ロシアの石油などに対する価格統制である。
現在の60ドルだったか、それをゼレンスキーの言うように30ドルとか、あるいは50ドルとかの話が出ているようにロシア産原油の価格を統制する制裁である。
◇ロシア原油価格を下げるためのリップサービス
西側の二枚舌のところは、ロシアの安い原油が西側に購買されてロシアの戦費になっているという言い方だが、それは、西側にしてみればロシアの安い原油を買ってぼろ儲けしていたことを隠しながら言っているものだ。
ロシアの原油を西側が買わないようにすればいいだけのことだ。それはやらない。1円の得にもならない制裁などしない。
ロシアの原油価格を統制する制裁方法は、実際のところ、西側のぼろ儲けを意味しているだけである。
そんなわけでヨーロッパ列強は、ロシアのウクライナ侵攻で甘い汁を吸い続けてきたわけだが、もっと価格を下げて汁の量を増やしたいのだろう。(転売、ブレンドして転売などの手法)
イギリスなどはロシア原油の価格統制でぼろ儲けしてきた国の一つだ。ウクライナの不幸でぼろ儲け、というやつだから、二枚舌にも磨きがかかっているわけだ。
イギリスなどの外野をゼレンスキーは、ロシアとの和平協議に参加させようとゼレンスキーの最後のカード「停戦カード」でゲームしているようなものだ。
そのゲームの一環がロシアの奥地の爆撃機のドローン攻撃とかクリミア半島の橋の爆破事件などがそれだ。
今後もロシアの報復攻撃が行われ、ウクライナの奇襲攻撃が行われ、その間、ロシア軍は微速前進でウクライナの領土が減っていくことになりそうだ。
プーチンは、戦争でしか併合地すべてを手に入れられないと考えている。
ゼレンスキーは、失った領土の奪還は戦争で奪い返すしかないと考えている。
依然としてウクライナ戦線異状なしのままである。
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2019年10月10日。
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