5月28日追加
農林水産省とJAとの癒着がコメの価格高騰の原因であることをJAが次のように語っている。
●JA北海道中央会の樽井会長「農家の現状を理解して国産米を買って」…2000円程度の備蓄米への需要集中に懸念
「JA北海道中央会の樽井功会長は27日の定例記者会見で・・・・生産者として、コスト削減に努めながら、適正価格がどの辺りか見極めていかなければならない」
適正価格というのは、コメの価格のことである。どのあたりなのかは、すでにJAの入札時の価格提示が示している。
本当の心配は以下のものである。
「消費者のコメ離れが心配だ」
翻訳すれば、今のコメの適正価格が値崩れすることである。
次が農協と農林水産省との癒着によるコメの価格統制の正当化を意味している。
「小泉農相が示す「5キロあたり2000円程度」のコメに需要が集中することに懸念を示し、「(消費者には)肥料の高騰など、農家の現状を理解して国産米を買ってほしい」と訴えた」
農協の主張は、今の高いコメの価格が適正価格であり、高い値段のコメを買ってほしい、と言っているわけである。
そのうち、JAサイドから国会議員などを通じて備蓄米の放出でも従来通りの入札方式で売買するように働きかけるだろう。
小泉のやっている随意契約は、JAサイドが下手をすると外国産米を通常通りの自由市場に出回る事態になりかねないとの憶測が働き、警戒しているとみていいだろう。
要は、トランプ関税でコメの輸入自由化を方向付ける機運があるため、農協側が震え上がっているわけである。
自給率とよく言うが、石油のような重要な品目では、米以上に生活に不可欠なもの。それを輸入している現実から言えば、コメの輸入自由化は、当分選択項目の一つになりえる。
しかし、自民党は、農家を票田とする。そこが石破のつらいところでもある。
投票率が落ちいている現在の選挙では、農家の票田は、手堅い結果をもたらしうるものということだ。
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米の価格高騰の原因ーーー農林水産省とJAの癒着による『価格統制』
米の量は、足りているか足りていないかについてもJAは、農林水産省とともに足りていると主張する。
米の量が足りているのになぜ価格が2倍に跳ね上がったかと言えば、それは、人為的にコメの価格統制をしているからだ。
◇コメの人為的な価格統制の主体
米は政府からJA主体の集荷業者に買い取られる。
農協は、政府から指示されてコメの生産量目標に沿ってコメの生産・作付量を農家に配分する。
稲作農家がコメを生産し、農協が集荷し、政府に卸す。政府は、価格の最も高い集荷業者にコメを売る。
JA主体の集荷業者のコメの取引に関するシェアは、40パーセントらしい。
●備蓄米を放出したのに高すぎる…コメ価格高騰がいつまでも終わらない根本原因
「農水省と農業協同組合(以下JA)は、コメは不足していないと主張している。」
「もともとコメは1970年代前半までは、ほぼ100%を指定集荷業者となっていたJAが扱っていた。そして現在でも、生産量全体の約40%に該当する部分をJAが扱っている。」
「自由化されて20年も経過するのに、JAが40%のコメを取り扱ってきたことでもわかるように、農水省とJAの癒着はずっと指摘されてきた。」
前々からの備蓄米の放出では、政府から備蓄米が最も価格の高い金額を示した集荷業者(JA)に売り渡されていた。
コメの流通の40パーセントを握っているJAは、早い話、コメを高い金額で買い取りながらコメの価格高騰を維持してきたわけである。
コメの流通市場は、政府が備蓄米を放出してもJAが高く買い取るから結果的にコメの価格高騰はほとんど下がることはない。
◇政府とJAの癒着
どの癒着でも同じことだが、癒着は金がらみだ。
政府とJAの癒着も金が絡んでいる。
その金の一つが転作補助金(今では産地助成金などの名称になっている)であり、農業関係の事業費なども含む。
要は、政府からJAの金融に入る金のすべてが政府とJAの癒着関係である。
◇どうしてJAはコメの量が足りていると主張するか
その理由は、米の価格統制を続けるためである。米の総量が増えてはならないのである。
もう一つは、現在の隠れた減反政策を維持するためである。すなわち、現在のコメの生産目標値を大きく変えないようにするためである。
農協は、現在のコメの生産目標が増えないように政府に働きかけなければならない。
もし、コメの生産量を増やすなら、現在転作している面積は、米に転換しなければならず、コメ農家の労働力などが固定値だから、おのずと限度がある。要は、コメの作付面積を増やす場合、一定限度を超えた作付拡大が困難であることである。
さらに、コメの作付を増やすことは、水田に転作している補助金が減少することとなる。
補助金などは、農家の収入を経由し、農協の金融に入金する仕組みだから、転作の水田が水田になれば、転作の補助金が全体的に減少するからJAの金融に入る金額も減少することとなる。
それゆえ、農協はコメの量について足りていると主張するのである。
◇日本の水田農業は構造的に歪んでいる
引用したページにもあるように日本の農業構造自体がゆがんでいるのは、農業構造自体が硬直化しているからである。言い換えると社会主義的生産様式だからである。
一応ミニマムアクセス米で外国からコメを輸入しているが、その米は、一般の流通に入りにくい仕組みとなっている。そもそもそうしたコメにトランプ関税のような関税をかけているから一般的に流通しないのである。
それらの歪んだ日本の農業構造は、農林水産省とJAの長年の癒着によって支えられてきたのである。
農林水産省とJAの癒着は、金の癒着関係でもあり、コメの生産調整を通じた癒着からコメの転作を通じた癒着などでがんじがらめになっている。
さらにそれらの癒着構造は、行政的な農業にも存在する。
日本の農業行政は、社会主義と同じだから日本のコメの生産費を上げている原因になっている。
その一つが土地改良区である。
土地改良区を助長しているのが農業委員会である。
土地改良区は、都道府県監督下の独立した行政執行機関で水田に対する土地改良区の農用地は、世界的に見ても高額な税金がかけられている。
全国平均値を知らないが、土地改良区内の農地の税金は、1000平方メートル(10アール)当たり、6000円くらいから数万円まである。
いわば土地の固定資産税のほかに改良区賦課金の名で税金をかけているのである。
土地改良区賦課金という名称で課税し、それは、地方税法の適用を受ける税金である。
つまり、黙っているだけでもそれだけの税金が農地にかけられているから、コメを生産してもそもそも税金が大きい分、生産経費も増加するのである。
そんな高額な税金をかけられている農地から生産されたコメが外国産のコメに勝てるはずもないのである。
農業委員会というのも土地改良区と似たようなもので農地の権利設定や譲渡に絶大な権限を有している。
だから、農地の権利移動は、農業委員会の許可が必要になる。
最後に、農協の存在である。
JAの存在は、国や行政からの農業予算がJAの金融に流入する点で癒着体質になるしかないわけである。
◇米の流通の改善策
現在小泉が随意契約で備蓄米を売りさばこうとしているが、それだけではコメの価格高騰の問題は解消しないといえる。
なぜなら、コメの生産後の一般的なコメの流通方式がそのままだからである。
米の買い手を広範囲に募集して自由市場にする必要がある。
したがって、農協の集荷業者は、自由化したコメの流通市場から除外しなければならない。
コメの自由化市場は、一部の集荷業者が独占的・寡占的にならないように市場を改革しなければならない。
現状のコメの自由市場では、農協が価格統制できる限り、独占・寡占の価格統制市場にしかならない。
そういうわけで小泉が農林水産大臣になっても、抜本的な構造改革などできないだろうから、随意契約も焼け石に水だろうと結論できる。
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