プーチンの駆け引き停戦予告
バチカンでの弔問外交でトランプがプーチンにほえたと思ったら、プーチンから三日坊主の停戦を出してきた。
その停戦は、ちょっと前の停戦よりも少しだけ長い期間だ。
しかもロシアが単独で一方的に停戦を予告したのである。
どういうものの考えなのかは、いろいろと西側で憶測が流れている。
プーチンの停戦目的は、プーチンがトランプに停戦外交から手を引かないようにするためのパフォーマンスだというものだ。言い換えると停戦する気があると見せかけることだ。
しかしながら、停戦する気はゼレンスキーにもない。だから、クリミア問題を出したりする。
要は、ゼレンスキーがロシアに占領された領土をロシアに割譲するというトランプ和平案を受け入れたくないのである。もう一つは、ロシアとの直接交渉では、ロシアからゼレンスキー政権の退陣が要求されるからである。
そこでプーチンは、ウクライナに占領されたクルスク州からウクライナ軍を駆逐した後、3日間の停戦予定を公表した。
●5月8日から一時停戦 ロシア発表
●ロシア、5月8から3日間の停戦を宣言 ウクライナ懐疑的
「ロシアのプーチン大統領は28日、第二次世界大戦での対ドイツ戦勝80年の記念日に合わせ5月8ー10日に72時間の停戦を実施すると表明した」
ロシア大統領府ーーー
「ロシアは、ウクライナ危機の根本原因を排除することを目的とした、前提条件なしの和平交渉、および国際パートナーとの建設的な取り組みへの準備ができていると改めて表明する」
◇3日間の停戦の目的は何か?
和平交渉とはもちろん、ウクライナとのそれだ。
しかも「ウクライナ危機の根本原因を排除することを目的」にした交渉だからウクライナは応ずることはしない。
その点は覚えておいた方がいいだろう。ーーー
ロシアは、ウクライナ側に戦争の原因を取り除くようなウクライナへの要求を行うために交渉すると。---停戦のために。
それではっきりとした。それは、ゼレンスキー政権の退陣要求だろう。それなら停戦を恒久的に続けてもいいと宣言しているようなものだから、そもそもトランプの和平案など戦争状態の現状維持でも構わないことを意味する。
ウクライナには、そんな交渉のテーブルに着くように要求している。
ロシアの一方的停戦予定にウクライナにもそれに呼応すべきだと。
それに対するトランプの反応は、3日間ではなく恒久的な停戦を求めるだけである。
ウクライナの反応は、単なる難癖をつけるだけのものでしかない。
ウクライナにも停戦する意思があれば、3日間の停戦をやってみればいいだけだ。
停戦期間中ウクライナが停戦に応じないなら
「ウクライナ側に違反があれば「対応する準備はできている」と述べた。」
違反とは・・・どうやらプーチンは、格下のゼレンスキーに指示したい様子なのがわかる。見下していることだが、プーチンの腹積もりは、トランプが停戦交渉の仲介から手を引いても一向に差支えないし、仮にトランプがロシアへの制裁を強化しても構わないと考えているだけだ。
ロシアにとっては、トランプ政権との交渉窓口をいつでもオープンにしているから仮にトランプが停戦交渉の仲介から手を引いても、プーチンには痛くもかゆくもない。
むしろ、戦闘が続くウクライナとそれを支援するヨーロッパ各国の苦痛が大きくなるだけのことだ。
◇戦況
ロシアは侵攻されたクルスク州からウクライナ軍をほぼ駆逐した。現在、ウクライナ軍は、アメリカ戦争研究所の地図では、わずかにクルスクの一部に残存しているだけである。
●Russian Offensive Campaign Assessment, April 28, 2025
ウクライナは停戦後の交渉の際にロシアと領土問題で駆け引きをするためにロシアに侵攻したのである。
ところが現時点で停戦しても交渉に乗せるような占領地がない。
プーチンにとっては、停戦後の交渉で占領地の交換などやるつもりがないからクルスク州を完全に奪還するまで停戦しないとも考えられる。
◇ロシアがウクライナに停戦交渉のテーブルに着くことを通告しろと
実はウクライナ、ロシアを交渉のテーブルにつかせるなどと盛んに言っているが、ウクライナは、ロシアとの交渉を法的に禁止しているのである。
◇ゼレンスキーがロシアとの直接交渉しない理由
●プーチン氏と交渉「不可能」 ゼレンスキー氏が法令署名
2022年10月4日
「ウクライナのゼレンスキー大統領は4日、ロシアのプーチン大統領との停戦に向けた交渉は「不可能」だと明記した法令に署名した。」
そのため、ロシアは、ウクライナに交渉のテーブルに着く意思があることを通告しろと公言している。
●直接交渉の意向はウクライナが示すべき、ロシア報道官が指摘
ロシア大統領府のペスコフ報道官は28日
「ウクライナから停戦に向けた直接交渉を行う意向があるというシグナルを待っているが、今のところその兆候はない」
「少なくともウクライナは何らかの行動を起こすべきだ。ウクライナは(直接交渉を)法的に禁止している。今のところ何の行動も見られない」
対するウクライナの反応ーーーイェルマーク大統領府長官は28日
「ロシアの攻撃が続いていることは、和平を望むというロシア大統領府の声明と矛盾すると述べた」
ウクライナのものの言い方は、何か変だ。
◇ウクライナの外交術
これでは、停戦は、トランプの和平案に合意するのは、ロシアが先に停戦を恒久的に開始した以降、一定の期間の停戦がなければ、ウクライナは停戦に応じないと言っていることに等しい。
ウクライナの目論見は、停戦開始前にロシアとの交渉開始を考えていないことだ。
しかもトランプ和平案なるものは、要は、ウクライナとロシアが停戦のための交渉の場を作ることであり、その交渉のためには、ウクライナとロシアが双方申し合せたうえで停戦を開始する物だろう。
しかし、ウクライナの反応を考えると、ウクライナの停戦の仕方に難点があるようだ。
①ゼレンスキーは、ロシアと直接的な交渉のテーブルにつかない
②ゼレンスキーがロシアに停戦の意志があるとみなす条件は、ロシアが先に停戦を開始して一定期間必要(例えば1か月間)
その間、ウクライナは、戦闘を継続するのも当然だと考えている可能性がある。
ロシアとの直接交渉を禁止する法案にゼレンスキーが署名したからそもそもゼレンスキーがロシアに直接交渉をする意志があるのをロシア政府に伝達する必要があるだろう。その場合、禁止した法律は、無視するか超法規的に対処することになる。
なんだかんだとゼレンスキーがトランプ和平案の占領地のロシアへの割譲を受け入れられないために、ゼレンスキーがトランプの和平案に合意しないことをロシアのせいにしているようなものに見える。
ゼレンスキーがトランプ和平案を拒否しているから直接拒否しないでロシアのせいにしているという意味だ。
多分、ウクライナは、ロシアとの交渉を禁止しているからそれを盾にそもそも停戦交渉などする気がないのにする気があるかのようにふるまっているだけだろう。
鉱物協定にしてもそうだ。
未だに協議中の様子だ。早い話、ごねているだけだろう。
●米・ウクライナ鉱物協定案「より強固で公平に」=ゼレンスキー氏
「・・・・両国間の交渉を経て「より強固で、より公平」になったと述べた。」
●ウクライナ、米と可能な限り早期の鉱物協定締結望む=外務省
「米・ウクライナ両国が毎日作業を進め、協議は進展していると述べた。」
要するに、いまだにレアアース協定は、協議中ということだ。
ウクライナが満足できるような協定に合意したいと。
「ウクライナは「双方に利益のある合意」を望んでいると強調した。」
未だに合意していない意味だ。
それが土壇場のウクライナの外交術のようなものだ。
◇ウクライナの外交術にたけているロシアの余裕?
トランプはそんな外交術でも根気よく相手を続けている様子だ。
しかし、ロシアとの停戦交渉は、ウクライナが本気でやるつもりが全くないと言っていい。
トランプはただ単にロシアが交渉しやすいように、ウクライナの敗戦濃厚の状態に合わせて占領地のロシアへの割譲を最低条件に限定している様子だ。
停戦の細かな内容は、ウクライナとロシアが詰めの作業をしなければならないのではないか?
停戦をどのように維持するかは、ウクライナとロシアが取り決めるもので合意するものではないのか。
プーチンは、同じスラブ人気質なのか、手玉に取るようにゼレンスキーに駆け引きしているとしたら、予定する3日間の停戦もその意味だとしたら、5月11日以降、トランプの停戦仲介からの離脱宣言が出るのではないのか。
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