トランプとブリックスまたは西側経済とブリックス経済
以前から指摘していたノルドストリームの問題に端を発したロシアのウクライナ侵攻は、西側のSWIFT経済同盟からロシアを追い払う政策の延長に発生したものである。
トランプの奴がロシアなどのブリックス経済同盟に対してどのような考えを持っているかわからなかったが、今回の報道でようやく見えてきた。
トランプが警戒しているのは、ブリックス経済同盟の脅威である。その現れの一つが今回報道されたものである。
題して、ブリックス通貨の創設に100パーセントの関税をかけるというもの。
●【米政権交代】 BRICSが脱ドル化なら「100%の関税かける」とトランプ次期大統領
内容は、ブリックス通貨なるものが創設されてその通貨を使う国に100パーセントの関税をかけるというものだ。
「ドナルド・トランプ次期米大統領は、新興国9カ国からなるBRICSが米ドルに対抗する新たな通貨を創設した場合、100%の関税を課すと脅迫した。」
バイデンの爺では、ノルドストリームを使うロシアのガスを止めてやれば、それでブリックス経済同盟など野合の衆に過ぎないと考えていたため、関税を口にすることはなく、ロシア以外のブリックスの加盟国に特別な制裁的政策をしなかった。
しかし、今回のトランプの考えは、一つの条件としてブリックス通貨の創設を目玉にして狙い定めている。
トランプの考えは、次の投稿で明らかだ。
「トランプ次期大統領は11月30日、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に、「BRICS諸国がドルから離れようとしているのを黙って見ている時代は終わった」と書いた。」
キーワードは、「ドルから離れようとしている」国があるだろうことを言っていることだ。
つまり、ブリックい通貨の創設という言葉は、「ドルから離れようとしている」経済同盟のことを指し示していることがわかる。
トランプが狙っているのは、ブリックス経済同盟がSWIFTに対抗する国際決済システムを一般化する前にその決済システムの構築に対抗しつつ、ドルを守ること、SWIFTとアメリカを最大の輸入国としている西側経済同盟を守ることである。
要するにドルを基軸通貨にする経済同盟に対抗的な経済同盟を関税によって叩いておく必要があると言明したのである。
これほどあからさまに言うところは、バイデンのジジイとは異なる実直さでもある。とてもシンプルで分かりやすい。
ところでブリックス通貨だが、今はどんなものかと言えば、
「内部の意見の不一致から進展が遅れている」
参考
●ドルに代わる国際通貨の覇権をBRICSは握れるか
記事はトランプの実直な言い分を読める。
「これらの国々には、新しいBRICS通貨を創設せず、また強力な米ドルに代わる他の通貨を支持しないという約束を求める。そうでなければ100%の関税に直面し、素晴らしいアメリカ経済での売り上げに別れを告げることになるだろう」
例えば国際通貨基金のような組織は、ドルを基軸通貨にしているし、SWIFTもドルを基軸通貨にしている。
ドルを基軸通貨にするのは、人の意志に規定されたものではなく、アメリカが最大の輸入国だからである。
例えば日本の大企業のほとんどは、アメリカ市場に自分たちの商品を売り込むことでアメリカのドルを基軸通貨にする必要がある。
ところがトランプの言っているブリックス通貨なるものとは、簡単に言えば、ドルを基軸通過にする決済システムを利用して別の通貨による決済システムを利用することを示している。
中国の通貨ーーー元
中国もアメリカに並ぼうとする輸入超大国である。したがって、ブリックス経済同盟の基軸通貨を意味する。
トランプが狙っているのは、結果的に中国ということである。
おちゃめな経済理論
記事では、関税をかけた場合の税負担がどこの国の人なのかを問題視しているが、全くバカげた経済理論である。
例えば、「関税はだれが負担する?」・・・・「この課税は輸出する外国企業ではなく、実際には輸入する国内企業が支払うものだ。」
おかしなものの考え方は、関税を支払う国がどこに属しているかで関税そのものを国内企業の負担に過ぎない、企業に対する課税だとみなしているのがわかる。
しかし、関税を輸出国がかけられた場合、輸出国の企業は、競争が前提の市場原理では、輸入するほど無駄な輸出になりかねないことである。
関税は、国内経済の保護のためであり、言い換えれば、アメリカ以外の市場に売り込めばいいということだから、ブリックス通貨を使う国の輸出は、最初から競争に負ける意味でしかない。
トランプの狙っている経済政策は、ドルを基軸通貨とする国際経済であり、ドルを基軸通貨とする限りは、輸入に大幅な関税率を適用しないから、アメリカのドルが安定的な価値を維持できると考えるところにある。
その事実をBBCの記者の目線で輸入企業の税金の増額支払としてとらえても、的外れなことに過ぎない。
例えば日本の自動車メーカーがアメリカ市場を当てにするのは、アメリカに自動車を売れば、競争原理でアメリカ国内の企業と対等に競争できるからであり、儲けになるからである。
しかし、関税率をあげられてしまうと、競争性がなくなる分、日本の輸出自動車は、売れなくなる。売れなくなっては、商売あがったりになる。
トランプは競争原理を前提に関税政策でドルの基軸通貨を守り、ドルの基軸通貨に対抗する決済システム=基軸通貨に対抗すると言明しているのである。
つまり、競争原理を否定するような経済政策は、関税という方法もあれば、バイデンのジジイがドイツとウクライナにけしかけたようにノルドストリーム2の開通は、安全保障とかウクライナの利益に反するからという言い訳をつけて、ロシアからのガス輸入のパイプを縮めてやったのである。
●『米独とウクライナのエネルギー相、パイプライン巡り協議』
2021年8月24日9:45 午前
バイデンのジジイのやり方は、政治的にロシアの輸出を食い止める方法=ロシアからの輸入を制限する方法(経済制裁)。
トランプはその点バイデンとは異なり、わけ隔てないかのように、あらゆる国の輸入品について関税をかけようとしているのである。
トランプの無差別な関税政策で早速、カナダの首相がまだ大統領になっていないトランプの居所を訪ね、関税交渉している。
「カナダのジャスティン・トルドー首相は11月29日、トランプ氏のフロリダ州の邸宅マール・ア・ラーゴを事前の予定なく訪れた。カナダ製品に対する25%の関税を回避するのが目的だったとみられている。」
トランプの政策は、アメリカ第一主義、ドル通貨第一主義である。だから、中国をずっと後方から見据えたブリックス経済同盟の成り行きに関心を寄せているのである。
ところでプーチンは、トランプとブリックスの関係について何も言っていない様子だが、腹の中では、かなり深刻な問題になっているはずだ。
もちろん、プーチンは、表立って言明することはなく、水面下でトランプ政権と経済について交渉するはずだ。
プーチンが下手にブリックス通貨の創設を急げば、トランプに感知されて、関税か何かの対抗策を講じられれば、バイデンのジジイよりも強烈なものになりかねないだろうと思われる。
経済制裁には、いろいろな抜け道があり、イギリスなどは、ロシアの石油をじかに買わないで第三国経由の石油製品を購入している。
トランプだと、抜け道は、多分関税で規制できると考えているだろうから、インドとかの国は、関税をたっぷりとかけられる可能性がある。もっともそれは、ロシアの石油などの制限ではなく、ドル離れのロシアによる輸出をターゲットにするものである。
トランプの目論見は、ドル離れを阻止することにある。ちゃんと計算しているはずだ。輸出国に対してアメリカを輸出先にするかで。
そんなわけで分かりやすくトランプが口にしたものは、アメリカの関税で売れないなら、とのことで
「他のカモを見つけるといい」
言い換えれば、アメリカに代る輸出先に輸出すればいい、とのことだ。
中国は、アメリカに比べたら、まだまだのところがある。しかし、確実にアメリカに並ぶような輸入超大国になりつつある。
だから、ブリックス経済同盟は、中国の元を基軸通貨にすればいいのだが、それがなかなかできない様子だ。当然だろう、アメリカのような輸入超大国と同じではないからだ。
しかし、トランプにとっては、ロシアよりも中国の経済の進展は、アメリカを脅かす。
一つ、プーチンの弱みは、中国のような輸入超大国になれないことだ。逆に輸出超大国に過ぎない。
輸出超大国では、決済システムの基軸通貨国になることはできない。
だから日本の経済がどんどん伸びても、日本の円は、決済システムの基軸通貨にはなりえないのである。
ブリックス経済同盟は、今年だと思ったがサウジアラビアが加盟するはずだったが、加盟していない。
現在の加盟国は、
ブラジル
ロシア
インド
中国
南アフリカ
イラン
エジプト
アラブ首長国
エチオピア
人口で言えば、輸入超大国になりそうな国は、中国のほかは、インドくらいしかない。
トランプの奴、やらないと思うが、サウジアラビアがブリックスに入ったら、サウジ原油に関税をかけて揺さぶりかけられる。原料でも製品でもどちらでもいいのだ。
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