9月30日のスロバキア総選挙
ロシア派の野党が第一党になった。
『ロシア寄り左派第1党 ウクライナ支援暗雲、連立協議へ―スロバキア総選挙』
2023年10月01日22時08分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023100100165&g=int
注目点は、「ウクライナ侵攻を続けるロシア寄りの主張を掲げた」政党が第一党になってウクライナに対する支援がおそらく削減か停止されることだ。
支援停止や削減の可能性は、党首の発言がその根拠。
フィツォ元首相・・・「ウクライナへの武器供与が紛争の長期化につながっている」「政権を取れば武器や弾薬はもう送らない」
ただ、第一党になってもほかの政党との連立が条件になる。
「議会で過半数を得るためには、複数政党との協力が必要で、連立交渉は難航する可能性がある」
それについて第一党の党首も認めている。
「フィツォ氏は、少なくとも数週間を要するとの見通しを示した」
連立の第一候補は、「スメルを離党したペレグリニ元首相が立ち上げた中道左派「声」」と言う政党。
☆スロバキアのウクライナに対する武器支援は、量的にはそれほどでもないから大きな問題はないだろうと思うが、ウクライナの穀物をめぐる問題が大きな問題となる。
◆ウクライナの穀物と東ヨーロッパ諸国(EU加盟国)
『ポーランド、ウクライナへの武器供与を停止へ 穀物輸出で対立』
2023年9月21日
https://www.bbc.com/japanese/66874151
「ポーランドのマテウシュ・モラヴィエツキ首相は20日、ウクライナへの武器供与をやめると表明した。」
ウクライナの穀物は、オデッサ港などから黒海を通じた海洋貿易で支えられていたが、ロシア侵攻で大部分が使えなくなって東欧諸国に穀物が流れ込むことになった。
東欧諸国では、ウクライナ支援の名のもとに受け入れていたものの市場価格が低落、農家が大反発した。
ーーー東欧諸国とウクライナとの農業は、規模が異なる。たとえて言えば、日本の零細農業とアメリカの企業的農業との違いだ。
そのため、EUがウクライナの穀物について東欧諸国に「封印通過」の形でウクライナの穀物を規制し、ついこの前その規制が解除された。
しかし、ポーランドなどが独自に規制を続けた。そこにウクライナとの亀裂が現れ始めたわけである。
封印通過だが、以下のように規制したらしい。
◆ウクライナの農産物輸入制限の中身
『ポーランド、ウクライナ産穀物輸入禁止の解除に合意』
2023年4月19日7:26 午前
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-poland-talks-idJPKBN2WF1UB
どのような合意?
「ウクライナ側との協議を通じて輸入食品を密封し、監視付きで移送する方法を採用することで事態が打開された・・・・穀物がポーランドに滞留しないと保証される形・・・・輸入禁止は21日に解除される」
要するにポーランド国内にウクライナの穀物が市場に入らないようにする、と言うことだ。
独自の規制は、ハンガリー、スロヴァキア、ポーランドである。
今回のスロバキアの総選挙で親ロシア派が第一党になってほぼ確実にウクライナの穀物が締め出されることとなるはずだ。
こうした政権の動きは、穀物だけが原因でウクライナ離れが進行するとは考えられない。
ガソリン価格などの物価上昇は、ヨーロッパの国々にかなりの重圧をくわえている。
それが原因でウクライナ離れ、ウクライナ支援疲れによるウクライナ離れが進行する可能性を秘めている。
◆ウクライナの追い詰められた立場
これでウクライナは、反転攻勢を目に見える形で世界に示す必要が生じることになる。
その一つがこの前のクリミアのロシア軍司令官の殺害報道。
『ロシア黒海艦隊司令官「殺害」 ウクライナ軍』
2023年9月26日 10:13
ロシア側は、そんな発表はしないし、事実だとしても、ロシアの占領地を大々的に奪還していないことに変わりない。ーーーどっちかと言うと、負け惜しみのような大本営発表のような、戦果をよく報道している割には、大きな奪還地がないのが実情だ。
他方プーチンは、大々的にウクライナの併合地をすべて占領するような動きをしていない。まるで戦争を継続することが当面の目的のように思える。
◆ウクライナ戦争の根源
ロシアのウクライナ侵攻は、領土欲しさの目的ではなく、プーチンの「落とし前」だ。つまり、金をノルドストリーム2で稼ごうとしてそれがアメリカの後押しで稼働停止にされて儲けを邪魔されたための落とし前に過ぎない。ーーー落とし前のための戦争などプーチンのような独裁者しかできないことだが。
ノルドストリーム2の稼働停止は、2021年8月に、ノルドストリーム2が完成する1か月前にアメリカ、ドイツ、ウクライナの共同宣言のようなもので決まった。ーーー実質的に稼働停止と言う意味で表向きは、ノルドストリーム2の稼働をいろいろな面から好ましいものではないと宣言することである。
ノルドストリーム2の稼働停止を実質的にロシアとの交渉条件にするつもりだったかもしれないが、プーチンは、ウクライナ周辺に大軍を配置、大演習で圧力をかけ始めた。
そして、ウクライナ侵攻数日前にウクライナ東部の傀儡勢力の支配地域を「独立国承認」、集団的自衛権が行使可能なように条約を締結、ドイツにノルドストリーム2の稼働停止を宣言させ、数日後にウクライナに侵攻した。
戦争の根源は、銭儲けしようとしたノルドストリーム2を稼働停止にしたことに対するプーチンの「落とし前」である。
だが、プーチンは、落とし前であることを決して言わない。ウクライナのロシア語話者の保護だとか、ドンバスの解放だとか建前ばかり口にしてきた。
今は、プーチンの言いぐさは、併合地のロシア領土の保護、祖国防衛に言い換えている。
ウクライナは、ロシアが途中で挫折するだろうと読んでいたのか、一向に戦争が終わらないのを見てノルドストリームを破壊した。それでウクライナを通過するロシアのガスパイプなどは、破壊から逃れられる。
ところが、ウクライナの貿易は、穀物。その穀物の航路がロシアにふさがれて穀物協定を合意したものの、ロシアの一方的な破棄で航路が実質ふさがれたようになった。
ウクライナの穀物は、陸路で、東欧諸国を通過したり、東欧の国内市場で売りさばくようになり、対立が鋭く表れるようになった。
ウクライナ支援疲れは、EU諸国が最も強く出ているはずだ。他にイギリスでも。
何しろ、OPEC諸国がロシア側についているため、原油生産量を抑制して儲けを多くしていることに繋がっているのだ。ロシアは、OPEC+の国、産油国と言うこと。しかも来年には、ブリックス経済圏が拡大する。
プーチンは、着々と地固めしている、ウクライナは、戦果を誇れるような「見世物的」戦果を時々発表するだけだ。
終戦、停戦は、ロシアもウクライナも考えていないようだ。
まだまだガソリンの高止まりがつづく→物価もあちこちで上昇→消費税を値上げして便乗しよう(気取り屋岸田)→年金も実質減額?→社会保障の保険料も値上げ?
値上げ 値上げ 値上げ 値上げ 値上げ なんでもインフレ
一時的に金融の大儲け→だぶだぶ金融でどこかの金融商品に歪が生じて部分的ブラックマンデー?とか
対応策は、気取り屋岸田の消費税増税だろう。
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2019年10月10日。
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