ロシアの作戦変更とプーチン外交 | パパケベックの総合ブログ

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ロシアの作戦変更とプーチン外交



キエフ戦線からの撤退は特に目立っていたが、9月に入り今度はハリコフ戦線からの撤退でニュースになった。

どちらも、戦線からの撤退が共通点だ。

キエフ戦線からの撤退後、ロシアの動きでニュースになったのは、マウリポリの占領。

 

★撤退→→→どこかを占領

したがって、今回のハリコフ戦線からの撤退でロシア軍は、どこを占領するかだ。


今のところ考えられるのは、ドネツク州全域の占領だろう。

ルハンシク州は全域占領中。


ドネツク州全域の占領となれば、増員がないロシア軍の状態では、ハリコフ州から兵隊を撤退させてドネツク州の全域占領に振り向けたほうが効率がいいことになる。


ハリコフ戦線からの撤退のときにロシア軍当局から出た言明は次の通りである。

『ウクライナ、東部広域を奪還 ロシアはハルキウ州から撤退』
2022年9月11日 15:26

 

 

 



ロシア国防省9月10日声明

「(ハルキウ州の)バラクリヤ(Balakliya)とイジューム(Izium)に駐留していたロシア軍部隊を再編し、ドネツク州の前線を
補強する決定がなされた」

ドネツク前線の補強とは、ロシアの言う特殊軍事作戦の目的通り、ドンバスの解放だからドネツク州全域の占領のための「補強」になるのは当然だろう。


果たして・・・ロシア軍は、9月24日から10月24日くらいまでドネツク州全域の占領ができるかな?


前回の記事で掲載しておいたプーチンの占領計画では、ドンバスをどのようにプーチンが考えているかを現時点の占領地の様子で示しておいた。

『プーチンの併合計画とハリコフ戦線からの撤退』
2022年09月13日

 

 

 




ウクライナの州で区別すると現在占領中の州で大きく占領しているところがプーチンの言うドンバスに相当すると思われる。


★ルハンシク州ーーー全占領中・併合予定


★ザポリージャ州ーーー部分占領・併合予定


★ドネツク州ーーー部分占領中・併合予定


★ヘルソン州ーーーほぼ全占領中・併合予定



ドンバスの解放と言う文句は、日本語版スプートニクも掲載されている文言である。


しかし、プーチンは戦争開始後、ウクライナの占領が目的ではないと言明した。その意味は、ドンバスの解放と言う言葉が示すように「もともとロシアの領土」と考えていることだ。


だからウクライナの占領が特殊軍事作戦の目的ではないと「ウソも百回言えば真実になる」意味でドンバスの解放というキャッチフレーズを使っているだけのことだ。



◆問題は、併合した以降の作戦の変質


今はまだ特殊軍事作戦と言う呼び名にしている。そのキャッチフレーズは、ドンバスの解放というキャッチフレーズで修飾している。

実際には、特殊軍事作戦は、ウクライナの占領ではなく、併合となる。併合したらドンバスの解放というキャッチフレーズは達成したから意味をなさなくなる。

なぜなら、ウクライナ軍はまだまだ戦争を続けるのをプーチンが知っているからだ。


そこで問題は、ロシアがドンバスの一部でも併合するとなるとそこはロシア領だからロシア領に対する侵略として対応することとなるから、当然特殊軍事作戦と言うのは変質し、祖国防衛戦争としてその兵力に
総動員もかけられるようになる。


そうなったら、ロシア軍は、ウクライナに全面戦争を仕掛けることが可能になる。文字通り、総動員をかけて敵国を「粉砕」することになる。



◆ハリコフ戦線からの撤退で何をやろうとしているか


前述したように、キャッチフレーズにふさわしい「ドンバスの解放」とは、ドンバスの領域のほぼ全域の占領である。

その占領目標は、ドネツク州全域とザポリージャ州全域だろう。


その二つの占領目標は、ロシアの議会与党の要人が発言した11月住民投票に合わせて達成すると考えられる。

だから、すくなくとも10月下旬には、二つの占領目標を達成する予定だろうと考えられる。



ロシアは、占領後、住民の選別として「粛清」を行うから投票1か月前には、占領を完了している必要がある、と考えるわけである。

投票までの1か月間に住民の選別作業を完了するには、ほぼ足りるだろうと考えられる。


併合のための住民投票は、ヘルソン州などでは、かなり早い段階でうわさが流れていた。それを考えれば、併合のための住民投票1か月とかできれば2か月前と言うのが当然ありうるわけである。


そんなわけで、プーチンの狙いの第一弾は、ウクライナから併合のための占領と占領後の住民選別のための「粛清期間」の後の併合と言うことになる。


数年前にプーチンがウクライナとのガス戦争などでウクライナに落とし前をやった時は、クリミア半島の併合をやった。

今回もまた同じことをやろうとしているところにバカは同じことをやる、と言うのが見え見えと言うわけである。

とはいえ、頭のいいバカは、厄介な存在でもあるが。


◆プーチン外交

9月13日、ドイツのショルツがプーチンの電話会談。

その後のプーチンの予定には、経済のための足場確保のために、15日には中国の習近平と16日にはインドのモディとの会談が予定されている。



『中ロ首脳、15日会談へ ウクライナ・台湾情勢巡り協議』
2022年9月14日

 

 

 




『プーチン氏、印首相と16日会談 貿易や食料供給巡り協議へ』
2022年9月14日

 

 

 




西側では、ロシアへの制裁のやり方とその効果について「捕らぬ狸の皮算用」がお盛んだが、プーチンは、頭のいいバカなので着々と経済のパイプ作りだ。ーーープーチンの奴を甘く見ない方がいい。今のウクライナ侵攻に動員している兵力にしてもそうだ。こんなもので足りると計算してやっているのだ。




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