◆停戦ムードのリップサービス？
妙な記事だ。
ロシアのタス通信。
グーグル翻訳でしか理解できないが・・・
https://tass.com/politics/1434439
『Russia hopes to complete its special operation in Ukraine soon - Kremlin spokesman』
（ロシアはウクライナでの特殊作戦を間もなく完了することを望んでいる-クレムリンのスポークスマン）
しかも、間もなく特殊作戦が完了する見込みのようなことも述べている。
「Our military are doing their best to bring an end to that operation. And we do hope that in coming days, in foreseeable future, this operation will reach its goals, or we’ll finish it by negotiations between Russian and Ukrainian delegations」
（私たちの軍隊は、その作戦に終止符を打つために最善を尽くしています。 そして、今後数日のうちに、この作戦がその目標を達成するか、ロシアとウクライナの代表団間の交渉によってそれを完了することを願っています。）
記事内容から言えるのは、ウクライナとロシアの停戦交渉次第という意味にとれるのだ。
この前、停戦交渉なんか無意味に思えた。
ブチャの虐殺事件以降の進展か？
停戦交渉の「詰めの内容」についての記事もある。
https://tass.com/world/1434121
『New Kiev-drafted agreement marks departure from provisions recorded in Istanbul ? Lavrov』
（キーウが起草した新しい合意は、イスタンブールで記録された条項からの逸脱を示しています? Lavrov）
「Ukraine presented its draft agreement to the negotiating group yesterday, which marks a clear departure from the most important provisions that were recorded at the Istanbul meeting on March 29 in a document signed by the Ukrainian delegation’s head Arakhamia」
（ウクライナは昨日、交渉グループに合意案を提示しました。これは、ウクライナ代表団の首長アラカミアが署名した文書に3月29日のイスタンブール会議で記録された最も重要な条項からの明確な逸脱を示しています。）
イスタンブール交渉に何か合意したものがあったということだが、その合意内容から逸脱しているとラブロフが吠えているという記事だ。
イスタンブール交渉での議題項目には、ウクライナの中立化に関する奇妙な取り決めもあった。
例えば、ウクライナの軍事演習に関するもの。
「However, the draft document presented yesterday does not contain this clear provision and speaks about the possibility of holding drills with the consent of the majority of guarantor countries, without mentioning Russia」
（しかし、昨日提出された文書草案にはこの明確な規定が含まれておらず、ロシアに言及することなく、大多数の保証国の同意を得て訓練を実施する可能性について述べています。）
これは、停戦後のウクライナの安全保障について保障国が複数あるのを前提している中身でもある。
しかし、主眼点は、ウクライナの中立的な立場であり、非軍事化であり、非ナチ化である。それがプーチンの大義名分でもある。
しかもゼレンスキーの言い方は、ロシアの要求を認めるというのは、停戦したうえで最終的に国民投票にその承認を認める権限を与えるものだ。
そんな条件を付けること自体奇妙なものだが、問題なのは、ここにきてあたかも停戦の可能性があるかのようなリップサービスがロシア大統領府から出ていることだ。
停戦交渉は、ウクライナからの要望を受けてのものに見える。それは、キエフ戦線でロシア軍が後退したのにもかかわらず、いぜんとして東部や南部は、ロシア軍が陣取っていることで明らかだ。
ウクライナにロシア軍を追い払う力はないが、要所要所で守り切る力はある。
現状ではかなりの損害であり、難民の数も半端じゃない。
このまま戦争を続けても、ウクライナは守り切ることはできるが、追い払うことはできない。
その現状から脱するには、停戦しかない。そのための交渉だから、いろいろと条件を付けても合意しないことは戦争の継続しかならない。それでどうするかだ、ゼレンスキー。
ウクライナ国民の命を一人でも多く守るには、停戦しかない。
◆ブチャ虐殺事件でのAFPの取材で分かるウクライナの戦い方
『虐殺実行者は「残忍な」年配部隊 ブチャ住民が証言』
2022年4月6日
「ブチャがロシア軍の管理下にあった先月・・・領土防衛隊がいるだけだったが、その防衛隊もロシア兵が到着すると逃げ去った」
ウクライナ軍は要所要所に陣取るようにしているのがわかる。戦法は、迎え撃つ、というものだ。
だから、ロシア軍は占領地を拡大するほど住民相手に兵員を使うことになり、戦闘部隊が突撃してウクライナ軍に丁重なおもてなしを受けて惨敗したりする。
ウクライナ軍は、住民を置いて要所に後退してロシア軍を迎え撃つ。
住民は、ウクライナ軍に守られない状態にされる。これは、一種、住民を盾にする戦法の一つだろう。
そんな戦法で簡単に領土と住民をロシア軍に引き渡してしまうのも、考えようによっては、酷なやり方だ。
要は、ロシア軍を追い払えないのに戦争を継続しても犠牲者が住民に増え続けるということだ。そんなものをロシア兵をいくら殺したとか称賛しても意味がないだろうってことだ。
なんとか停戦合意しなければ、ゼレンスキーが虐殺現場を視察してお涙ちょうだいしなければならないことになるな。
ロシアは経済制裁くらいで撤退もしないし、停戦もしないぞ。かといって、ロシアからのガス、明日から全部輸入禁止にできないだろう。間違っても、アメリカ軍が義勇軍をウクライナに作ってロシア軍と戦闘するわけにもいかないのだろう。
ゼレンスキーも、バイデンにウクライナ国内に星条旗の旗を見せてくれと言わないところが、かわいいところかな。
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