麹町クレーン横転事故の分析 | パパケベックの総合ブログ

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麹町クレーン横転事故の分析

 2021-1122加筆
元の記事は、2019年05月13日(月)に投稿したものである。
https://ameblo.jp/push-gci/entry-12460322605.html

この記事では、簡単に事故原因を書いている。



≪事故原因≫

クレーンの吊り位置が遠すぎたために横転した。

それと現場の作業を行う業者の危険な作業を強行したこと、それを監督する立場の大洋基礎、さらにおそらくは工期短縮を目指していた東亜建設の現場作業の監督が足りなかったことである。

 

以下の画像。クレーンの吊り位置が穴の隣にある白い四角の部分からケーシングを吊り上げ始めた。

 

ブームが道路方向なのは、クレーンのキャタピラがブームと直角になるところにあったことを意味する。

 

横転後、キャタピラの尻側がより道路側に移動しているのがわかるはずだ。その意味は、横転後、ブームの巻き上げが続いていたことを示す。(オペレーターは投げ出された後のことである。)つまり、ブームを巻き上げながらケーシングを吊り上げようとしていたことも示す。

 

横転前、ブームを巻き上げながらの吊り上げになったのは、ケーシングの重みでクレーンが引っ張られたからクレーンの尻が浮き上がり、ケーシングを吊り上げるブームが前のめりになるのをブームの巻き上げで対応したためである。

 



≪吊り位置が遠い理由≫

画像に見るように、吊り位置が遠すぎたからクレーンが横転した。


≪吊り位置が遠くなった原因≫

次の穴の位置にクレーンをセットしていたものを移動したくないため

いつも似たような危険作業をしていたため。


≪横転原因の要素≫

1 ブーム長28メートルでは、吊り上げの作業半径が遠すぎたこと。

2 
ケーシング6メートルでは、吊り上げの作業半径が遠すぎたこと。

3 
掘削仕様のクレーンでは、吊り上げの作業半径が遠すぎたこと。

4 ケーシング内に水を張っていたため3mまで吊り上げたが、
浮力ががなくなって一気に荷重が増加する条件では、吊り上げの作業半径が遠すぎたこと。

 



その中で気になるのは、4番である。それを表す情報がネット上にあった。以下のページ。

『大型クレーンが転倒、トラック下敷きに 62歳女性が心肺停止』
https://www.j-cast.com/2009/04/14039385.html


その情報は以下の通り。
2009年4月14日0時45分の東京消防庁発表のものである。

「 重さ6トンの「スタンドパイプ」と呼ばれる器具をクレーンでひき抜き、3メートルの高さまで釣り上げた時に、バランスを崩して転倒。 」



≪事故の再現≫

スタンドパイプとは、ケーシングのことである。

事故は、事故時のクレーンの位置からケーシングを3メートルくらい持ち上げたまではよかったが、3メートルくらいからクレーンが横転したことを示す。


3メートルまでの間、持ち上げた高さがあったのが事実だとすれば、3メートルを境にクレーンが「バランスを崩して転倒」したことである。



そこで事故の要素は、4番の原因だろうと言える。


3メートルを境におこった様子は、ケーシングが穴の中に残り3メートル分が刺さっていて、

3メートルまでは何とか抜けて、
3メートル以降は、クレーンが横転したことを意味する。



≪3メートルまで抜いてその後何が起こったか≫


1 クレーンの尻が浮き上がりながらもバランスを保っていた

2 3メートルから
ケーシングの重みが増してクレーンの尻が浮き始めた

3 3メートルから重みが増した時にクレーン操作(補助フック)でケーシングを下げなかった

4 3メートルから重みが増した時にケーシングをつっている補助フックを急激に下げなかったため、ケーシングの重みで穴に戻る荷重に引き寄せられるようにクレーンが横転した


上記で肝心な点は、3メートルまでの吊り上げでバランスを何とか保っていた状態から、3メートルくらいから急激にクレーンに重みがかかり、その重みを解消することなく
吊った状態を続けていたために、クレーンが横転したことである。


≪3メートルから何が起こったか≫


事故当時の穴の中に入っていたケーシングには、が張られていた。ケーシングは単なる大きな鉄のパイプだから筒抜け。

水の中では、ケーシングは浮力を受ける。その浮力分、クレーンの吊り上げ荷重は、バランスを保てる。

しかし、ケーシングを上げるほど水の浮力は低下する

水の浮力を失うほどクレーンの吊り上げ荷重は「激増」する。

 

画像は、3メートルの高さまで吊り上げた以降の浮力の低下による加重増加を示したもの。

 

(「激増」するというのは、クレーンを支えているキャタピラが浮き始めるため浮き上がるほど加重増加が加速度的に増えるようになるという意味である、したがって加重増加は、キャタピラが浮き上がるほどブーム角度はより倒れていくことになる→ブーム角度が下がるほど吊り上げ能力が低下する→吊り上げ能力が低下するほどキャタピラの浮き上がりが多くなる


キャタピラが浮くことはクレーンオペレーターも体感するから、クレーン操作をブームの巻き上げ、つまり、
起伏ワイヤーの巻き上げで対抗したなら、(吊り上げているワイヤーはそのまま。)ケーシングが穴に向かって下がるのをやめていないなら、ますますクレーンは傾くことになる。

同時に、クレーン操作の起伏の巻き上げでは意味がないことになる。

なおもクレーンは倒れ続ける。なぜなら、ケーシングが重みで穴に戻っている最中でケーシングが穴の中で引っかかることはなく、下がるのをやめないからである。

結果は、画像を見たらわかるようにブームを巻き上げ、クレーン後部のストッパーをクニャッと曲げているのが見えることになる。おそらく、クレーンが横転を続けている最中もブームの巻き上げが続いていたことを示す。



吊り上げようとしていたケーシングは、抜く前の位置まで下がって止まったクレーンはすでに横転していた。ブームを巻き上げることは、おそらく続いていただろう。(オペレーターが投げ出されたらしいが、ブームの巻き上げは続いていたから、ストッパーを曲げたし、エンジンも止まらなかったようである。)




≪水の浮力を失ったケーシングがクレーンを引っ張った!


何が起こったか?

3メートルくらいから水の浮力を失って急激な加重増加でケーシングが自重で穴に戻ったため、ケーシングが穴に戻る力がケーシングを吊っている補助フックを通じてクレーンを引っ張り、その戻る力でクレーンが横転したのである。


そのように考えると、割とあっさりとクレーンが横転したことになる。


クレーンは、確かにそのケーシングを吊っていたが、水の浮力を失うとクレーンにかかる荷重は増加する。吊っているものは「同じでも」である。


その浮力の消滅でクレーンの横転が起こるのは、クレーンの吊り位置が遠すぎたからである。安全な作業半径を超えていたからである。



≪同じ位置関係でケーシングが地面の上にある場合なら≫


おそらく、事故当時のクレーンの位置から同じ穴の位置に地面の上にあるだけのケーシングをつった場合、クレーンの尻が浮くだろうと言える。その条件なら、多少クレーンの尻が浮いてもブームの巻き上げなどでクレーン側にケーシングを引きずるように寄せることで難なく吊り上げ可能な距離までケーシングを寄せることはできる。ケーシングは、地面を引きずるように引き寄せることになるが。かなりでかい音は出るかもしれない。

もし、ケーシングを抜いて横にしていたなら、それを吊り上げる位置が事故当時のものでも、クレーンの横転はまず考えられない。



≪ケーシングに浮力が働くことを知らなかったとは言えないが≫

しかし、事故当時の条件では、穴に入ったケーシングが、水が地面から1メートルくらいまであれば、約5メートルくらいの水深による浮力が働くため、3メートルくらいまでケーシングを抜けたのだろう。

問題はその後の様子だ。浮力がなくなる分、クレーンの尻が上がるだろうから、そこは無理せず補助フックを素早く下げればいい

補助フックを巻き下げすれば、ケーシングの沈み込みの速さに負けないくらいの速さで下げれば、クレーンの尻の浮き上がりは、何とか回避できるだろうが、ケーシングの沈み込みに負けてしまう分、クレーンの尻は持ち上がることになる。

そういうわけで、キャタピラが浮いた状態での
デッコが最も素早く、ケーシングの沈み込みに負けないくらいケーシングを下げることはできるが、デッコだとキャタピラがドスンと地面に乗っかるので振動はやむ得ないだろう。

ところが、補助フックの巻き下げよりも、ブームの巻き上げをやってしまえば、ケーシングがうまく穴のところに引っかかってくれればいいだろうが、ケーシング6メートルともなると
自重は結構あるな。



≪クレーン横転をさらに助長した機械的な要因≫


ここでの要因とは、掘削用クレーンの持つ機械的な特性がクレーンよりも吊り上げ能力で弱いということである。


前述したように掘削用クレーンは、ブームの手前に掘削用の機械を装着することで、吊り上げ能力が低下している。

ブーム長が28メートルらしいので、ブームが長くなるほど吊り上げ能力は低下する。

ケーシングが6メートルなら、その重量はかなり重いこともクレーン横転を助長したことになる。

それとクレーンの
2つのキャタピラの吊荷に対する方向がほぼ横方向なのでクレーンは、吊り上げ能力が低下する。

結果的に、人為的な「ミス」よりも、人為的な「怠慢」が原因だとみるしかない。(クレーンオペレーターの腕頼みで回避できたとは言いにくい。)

したがって、この事故の裁判で事故を予見できなかったという監督業者の主張は、
でかく出たウソでしかない。


≪引用先の記事が消滅開始≫

記事から引用した以下のものは、ページが消えてた。2021年11月15日確認。

「約3メートルつり上げたところで、資材が左に傾いているのに地上の作業員が気付き、操縦者(38)に「右に振れ」と指示。右に少し旋回したところ、横転したという。」


その情報は、状況を誤りやすい。



≪ケーシング3メートル抜いた時の情報の違いとは≫


1「約3メートルつり上げたところで、資材が左に傾いているのに地上の作業員が気付き、操縦者(38)に「右に振れ」と指示。右に少し旋回したところ、横転したという。」

2「 重さ6トンの「スタンドパイプ」と呼ばれる器具をクレーンでひき抜き、3メートルの高さまで釣り上げた時にバランスを崩して転倒。


消防庁のほうは、
クレーン横転の始まりがケーシングを3メートル抜いたところから始まっているのがわかるが、偽情報と思えるものは、ケーシングを3メートル抜いたところで旋回の指示による旋回操作が、横転の始まりのように思えるだろう。

後のほうの情報は、意図的にクレーンオペレーターの責任を緩和するような言い方である。

アース工事の末端業者は、掘削クレーンに職長クラスが乗ることもある。職長クラス以外がクレーンオペという場合も、オペレーターの責任を緩和するのは、手元の作業者に(大洋基礎の監督ではない)責任を分散することになる。

その意味は、この記事で言っている内容が、割とあっさりと横転したことがクレーン操作で回避できた可能性があるということでもある。しかし、回避するクレーン操作をしないで横転したことを示したものである。その操作がブームの巻き上げ、起伏ワイヤーの巻き上げ操作であり、ストッパーが曲がったことにも通じる。ーーークレーンの位置から見事
上げられると考えたことになる。


とはいえ、東亜建設のような業者に言えるのは、ネット上のいろいろな事故から言えば、


「安い単価と工期短縮は事故の元」

だろうな。

鎬を削るゼネコン業界今日もまた・・・・




≪事故情報・裁判情報≫

日時  2009年4月14日 11時

場所  東京都千代田区麹町

元請け 東亜建設工業・・・工事全体の監督業者

下請け 大洋基礎・・・孫請けの直接の監督業者

孫請け  光北産業・・・実質作業を行う。

工事の内容は、「場所うちコンクリート杭」の工事中。

横転した建設機械は、「アース機」と呼ばれるクレーン作業可能な掘削機で日立の建設機械らしいが。要は、クレーンを改造したものと思えばいい。画像だと50トンクラスあるのかな?

 

『クレーン横転、元請け2社員有罪 地裁判決「監督義務怠った」』

https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2201D_S2A220C1CC0000/

判決、2012年2月22日、東京地裁 。

2009年4月14日~2012年2月22日。

 

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