■ボンボン安倍の農業改造
TPPでは結果は結果的に関税が貿易障壁と同じく、障害となってとん挫した。
主要５品目に大きくかかわっていたのが農業生産物だ。その生産を行う農業構造に改造を行うとリップサービスを始めた。
http://www.saga-s.co.jp/news/national/10201/65018
出てきたのは農業構造となっている農協、農業生産法人、農業委員会だ。
生産者サイドでは、目指す方向性は企業参入だ。
農協では全中、全国農業協同組合中央会の実質的な廃止、農協組織を実質地域JAにすることだ。これは行政に例えれば、自治体に対する国を実質廃止するようなものだ。
最後は農業委員会。「市町村長が委員を選任する形に一元化」だと。
それら３つの項目の共通点は、今までの農業部門の実質行政的な構造の除去だ。
やりたいことは常にTPPの農産物輸入の関税撤廃に絡んでいる。だから、今までの農業構造では貿易自由化になれば太刀打ちできないから、太刀打ちできるようにするのだ。
そのためには、農地の集積が日本に輸出してくる国と同程度になる必要がある。それで農業委員会と農業生産法人への企業参入が必要になる。つまり、一つの自治体で規模拡大が極度に進められるように「農業委員会の許可」が必要になる。
そして、企業が農業に参入する形式として、「役員要件や企業の出資制限」を取り払う必要がある。企業が農業経営を可能とすることを求めている産業競争力会議を示している。
今までの農業経営者に代わって企業を置き換えるための改造がボンボン安倍の目論見だ。このための踏み台に現時点での農業生産法人の仕組みを改造することで達成しようとしている。
しかし、農業委員会は大部分が農業者から選挙された人間から成っている。それでは企業の思惑が「農業委員会の許可」で障害となる。そういうわけで今回の改革の方向性がリップサービスされたのだ。
そして、農業の砦と言ってもいい農協の改革として、全中が取り上げられたのだ。地域JA主体にすれば、全中を後ろ盾にした地域JAの存在が直接的に表れる。つまり、地域JAの苦境を全中の後ろ盾でしのいできた仕組みをなくすことになるから、当然その金の流れも改革の対象になる。
全中の後ろ盾がなければ、経営難の地域JAがどうなるかだ。もちろん地域JAの経営難はその地域の農業者の経営難だ。するとより一層農地の集積を進める条件ーーー売買、賃貸を求める農地が増えることになる。
今よりも農地集積が進めば、さらに経営主体が企業に傾けば、TPPでの５品目の関税撤廃も夢ではない。５品目の関税を維持したのは、農業者の票田を自民党が失いたくないからだ。
しかし、農業部門の輸入自由化は産業界の渇望だ。
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