Cerwin-Vega! V-152mk2X 修理記(3)
■中華ピエゾツイーターを試す検索してみるとわかりますが、既に製造が中止されたと思われるオリジナルの KSN-1165A の在庫を持っている会社は少なく、互換品がたくさんひっかかります。ドイツの Monacor社の製品 MPT-165 を除けば大半は中国製のようです。この中華ピエゾツイーターは国内でも格安で入手できますので、アメリカからオリジナルの KSN-1165A を取り寄せる前にヤフオクの中華ピエゾツイーターを落札してみました。入手したものはヤフオクで「GD-030 400W ビッグピエゾホーンツイーター」という名前で売られていたものですが、写真と商品スペックを見る限りどう見ても KSN-1165A を狙った品物です。GD-030 という型番で検索しても引っかからないので製造元の型式は不明です。※厳密には中国製かどうかもわかりません。落札価格は2個で \1,980。落札入金の翌日には届けて頂きました。【GD-030の商品説明にあったスペック】 再生周波数:1.8khz-30kHz SPL (音圧)94dB W110ミリ X H110ミリX D75ミリ入力・・・200EW RMS 400W PEAK【オリジナルの KSN-1165A のスペック】Frequency Response: 1.8kHz to 30kHzAverage Sensitivity: 93dB at 1m/1WMaximum Power Handling Capacity: 400W (EIA RS426)(8Ω system reference)Maximum Temperature: 90°C (194°F)Typical Impedance: Appears as a 0.3μF capacitor in series with a 30Ω resistorDimensions: 110x110x81mm【Monacor の MPT-165 のスペック】Frequency range 1,800-20,000 HzMusic power 225W MAX(4Ω system)/115W MAX(8Ω system)SPL (2.83V/1m) 93dBRadiation angle (vert./hor.) 45°/45°Dimensions 110x110 mm届いた GD-030 ですが外観ではパッと見区別できないほど似ています。早速分解してみるとプロテクターやコンデンサー、吸音材が省略されていますが見た感じそのまま付け替えられそうに思えます。既に書いたようにアルミホーンに接着されている KSN-1165A のプラスチックホーンは流用するので、中華ピエゾツイーターからは振動板部分だけを移植するつもりでいました。ところが、実は矢印部分の長ネジ4本の穴が微妙に合わないのでそのままでは交換できないのです。やむなく元の KSN-1165A から焼損したピエゾ素子とコーン紙ホーンを取り外し、GD-030 からも該当部分を取り外して半田付けして流用することになりました。ピエゾ素子部分の比較ガスケットを外し、焼けたピエゾ素子とコーン紙を取り外す中華ピエゾからも同じ部分を取り外すプラスチックフレームと端子、吸音材、切れていなかったプロテクター、コンデンサー、ガスケットは流用見た目オリジナルですが中身は中華振動板になったピエゾツイーター取り付けて試聴してみました。一聴すると普通に鳴っています。むしろオリジナルより元気な感じがします。中華ピエゾのほうがシャッキリと鳴り、オリジナルはそれより2~3dB低く感じられます。が、数時間聞き比べていると中華ピエゾのほうが元気はいいけど解像度が悪く特定の帯域だけ良く出てる感じがわかってきました。バンドやエレクトロ系はさほど気にならないのですが、弦ものやオーボエ等は一部団子になって聞こえて音がクドいんですね。元々ピエゾツイーター自体にもそういう傾向があると思うのですが、オリジナルの KSN-1165A のほうはまだマシです。ビブラフォンやトライアングルなどは透明感のある音で鳴ってます。そういう目で中華ピエゾツイーターを改めて見てみると、オリジナルに劣る部分が見えてきます。第一にコーン紙の裏の吸音材が無かった事。これは追加したので差にはなってないはずです。第二はピエゾ素子のサイズ。オリジナルより直径が小さいです。中国製ピエゾツイーターの中でも GRS PZ1165 という製品はオリジナル並の 22mm のピエゾ素子を使っているそうですが。第三はコーン紙の材質です。おそらくこれが一番解像度の悪さに影響している気がします。写真だと見た目はほとんど同じに見えますが、触ってみるとオリジナルのコーン紙は表面がツルツルしていて肌理が細かく硬いのです。中華ピエゾのほうはオリジナルより柔らかくて表面も普通の紙という感じです。第四はプラスチック加工の精度です。横から見るとわかりますがオリジナルは各ブロックに隙間が無い上に紙のガスケットが挟んでありますが、中華ピエゾのほうは隙間があります。材質も若干密度が低い感じがします。ただし今回は振動板とコーン紙しか流用しなかったのでプラスチック部分の違いは影響しなかったはずです。プラスチックホーン部分への開口部もよく見ると金型の精度がまったく違います。オリジナルのホーン開口部中華ピエゾのホーン開口部これらの違いは全て分解してみないと見えてこない部分です。今回の補修では最終的に左右ともオリジナルの KSN-1165A(新品)になりました。中華ピエゾの派手さは無くなったが、やはりバランス&解像度はこちらのほうが良く相対的に低音が聞こえるようになって Cerwin-Vega!っぽさを感じられるようになりました。全体には人の声が遠くまで飛ぶとか、生っぽい音がするとかいう感じの出音ではなく、ドンシャリ方向で単体でも低音がそこそこ出る、というスピーカーです。中華ピエゾツイーターも左右一対で買いましたので予備として残しました。最初からこんなものかと思っていればそれなりの音です。PAとしては音が出ないよりはずっと良いのでイザという時には役立ってくれるでしょう。(gankuma)