■本体のNVRAM/RTCのバックアップ電池を加工する
内蔵の時計・カレンダー機能はESPWX基板に付いているリチウム電池一体型のNVRAM/RTCによって提供されています。サービスマニュアルでは"DALLAS DS1643"となっていますが実際に付いていたのは互換品の"M48T18-100PC1"です。

まだDigi-keyなどから入手できるので、取り寄せて交換するのも手ですが、いずれまた内部電池が切れると交換が必要になります。この手のICは古いSunのワークステーションにも使われいて、調べるとICを削って内部電池の配線を露出し、リチウム電池を外付けにする力技で対応している方がいらっしゃいますので、私もこれに倣うことにしました。ICは丸ピンソケットに刺さっているので抜きます。


参考サイトの情報を参考にICの外側をカッターナイフで削ります。思ったより柔らかいけど時間がかかる。どれくらい削ったらいいかがわかってればドリルやグラインダーを使うのだけれど。下側の左右二箇所のリードフレームと、その上方の内蔵電池に伸びる金属線を露出させ、電池への配線をカットします。


左右のリードフレームのうち、14番ピンとつながっているのがマイナスで、15番ピン側にある(15番ピンと導通が無い)のがプラスなので、リード線を半田付けしてボタン電池のホルダーをつなぎます。


最後に両面テープで電池ホルダーを貼って、リードフレームの露出部をホットボンド等で覆って完成です。これで内蔵電池切れに悩まされることはありません。


【参考サイト】
M48T18のデータシート
http://www.st.com/content/ccc/resource/technical/document/datasheet/group1/92/64/6e/82/80/15/41/65/CD00000521/files/CD00000521.pdf/jcr:content/translations/en.CD00000521.pdf

基板直付けのNVRAM/RTCを何とかする
https://www.okqubit.net/pcbnvram.html

▼M48T59Y NVRAM の電池を復活させる▼
http://vega.pgw.jp/~kabe/vsys/48T59/70PC1.html

内蔵電池が干上がったNVRAM、M48T59Y-70に電池を外付けする・前編
https://www.youtube.com/watch?v=wwFM2RuAGno

内蔵電池が干上がったNVRAM、M48T59Y-70に電池を外付けする・後編
https://www.youtube.com/watch?v=VV2GHgwrbGU

Automatenforum geldspielfreunde Stella Venus Optimus
http://geldspielfreunde.de/thread.php?threadid=16461

■コンソール電源をケースに入れる
バラックのままだと不測の事態がおこる危険があるのでケースに入れることにしました。ジャンクのスイッチング基板のサイズを測定した所、L:200mm W:110mm H:55mm(スペーサー込み)でした。リード社のP-301(L:230mm W:130mm H:60mm)がちょうど良いサイズ。



本物のACアダプタよりだいぶでかいですが。

■いまだプロジェクト画面表示できず・・・
RTCが復活したので日付時刻の設定が残るようになりました。しかし2000年問題があったのかもしれないので、念のため99年に設定しています。

ハードオフを何軒も回ってジャンク箱の中を探し、マイクロソフトのシリアルマウスを入手しました。


早速つないでみましたが、やはりSCIから先に進まず、マウスは関係が無いことがわかりました。

続いて起動時の動作を記述した"startup.user"以降の起動プロセスを追跡しました。OS-9はバイナリのコマンドファイルだけでなく、unixと同じようにシェルスクリプトを記述して実行化できるので、エディタで中を見ていきます。ディレクトリの

/SYS/
/USR/CMDS/MFX
/USR/CMDS

の中に色々と起動や設定に関係するファイル(例えば"QSYS_CFG"とか"mfxenviron"とか"tcs_cfg"など)があり、シェルスクリプトになっているのは、
mfxstart
mfx3
mfx
mfxload
session

といったコマンドで、mfxstart,mfxstartf,mfxstartf2,mfxstartftのような起動スクリプトファイルを切り換えています。この中に例のグラフィック画面から先(MDR以降の部分)の記述がありまして、


最後の方に

echo "Starting SC Interface"
mdrstart 30 mdrscitask>nul

と書かれており、ここをコメントアウトすると"Starting SCI..."が出なくなりますが、やはり起動はしません。正直なところ、"Starting SCI..."の表示で止まっている時に /USR/CMDS/MFX/mdrscitask がハングアップしているのか、それともその先で止まっているのかの判断がつきません。画面の設定をするスクリプトが記述されている部分もありますので、もしかすると画面描画(Screen)の問題(例えば解像度が変わるところでコケていたり)なのかもしれませんし、Sync Card(ESPSYN)のエラーなのかもしれません(ROMブートしてkmonでチェックをする方法があるが未実行)。

これらの設定ファイルの中にあるコマンドをプロンプトから直打ちすると、「起動しているよ」とか「abort」などと状態が表示され、ものによってはerrorコードも出ますが、残念ながらそのコードが何のエラーなのかを調べる手段がありません。

MFX3のグラフィックが表示された後は、TCS,DIO,DCC,MDR,SCIの順に起動しようとしますが、途中で止まった場合、BLUEキーを押すと抜けられることになっています。ただしMDR(Multitask Disk Recorder)が走って以降は止まってくれません。そのままキーを打っていると"ESPMSG Portname Not Found"というエラーが出ます。MDR以降に止まった場合の具体的な対応方法はマニュアルに記載が無く「ディーラーに連絡せよ」と書いてあります。

現状はここまでで止まっており、いまだにプロジェクトメニュー(ファイラー画面)やエディット画面を拝むことができません。最初にも書きましたが、この Fairlight MFX3/MFX3plusについて、何らかのテクニカルな情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひともアドバイスをいただければ幸いです。



(追記)2023年現在も解決していないというか、この機材を展開していじれるような場所と時間が無くその後復旧作業が止まっております。推測に過ぎませんが、おそらくMDRは走っているがVGAでグラフィック画面が描画できないか描画周波数に対応できない所があるのではないかと思っています。ESPCG4のVRAM周辺かRIO基板のバッファや配線周りを調べてみたい。南アフリカだったかでこれと同じ段階で止まっている人がいたようですがやはり進展は無し。楽器として使えるMFX2と比べてMFX3は廃棄される場合が多いようです。

(がんくま)