懐かし自販機 石田鶏卵 | A DAY IN THE LIFE WITH MUSIC

懐かし自販機 石田鶏卵

人は年を取ると若い時にやらなかったことを悔やむ傾向にあるそうです。

「なんであの時あの子を誘わんかったんやろ・・・」

「あの時勇気を出して一声かけてたら・・・」

誰しもがふとしたときに過去のたらればを思い出し、「あの時ああしてれば・・・」などと今更考えても栓ないことを脳内で蒸し返すことがあると思います。

 

もちろんそれはワイにもあります。

その中のひとつが自販機のうどんやラーメンを食べることで、ワイが若い頃はあちこちにいくつかそうした自販機の、ラインナップがやたらと充実したスナックコーナーみたいなのがありました。

でもね、当時はそうしたものを「こんなん誰が食うんよwww」と、小バカにしてたんですわ。

 

だが時は経ち、そうした昭和なレトロテイスト溢れる自販機は「懐かし自販機」などと呼ばれ一部の人たちの間で注目されるようになり、今では聖地巡礼よろしくわざわざ遠方まで食べに行き、そうした動画も数多くアップされています。

で、それらを見てワイは思ったのです。

「なんであの時食べんかったんかな」と。

 

懐かし自販機のリアルタイム世代なのに、食べたことがないくせに、それを懐かしく思うってどうなんよ?

と思い調べてみると神戸市内にもこの懐かし自販機でうどんとそばを提供してくれる店があるのを知ったのが数年前で、機会があれば行こうと思いつつ忙しさにかまけてなかなか行けず、今回こうしてようやく行くことができました。

思い出の補完か、或いはこうでありたかったという願望の追体験か。

 

早朝五時(!)に家を出て車に乗って東へ向かうこと約45分、六時前に神戸は東灘区の深江浜にある「石田鶏卵」にやって来ました。

 

ここには富士電機の麺類自動調理販売機が置いてあるんですよ。

神戸ではここ一台のみの設置です。

ちなみに富士電機は富士通の親会社だそうですぜ。

車中のBGMは松田聖子のアルバム「スコール」で、心の中の昭和気分を高めてゆきますw

 

このデザインと薄汚れた感が昭和テイストぷんぷんやね。

取り出し口からうどんが一本垂れ下がったままになってるのも風情があります(^^;

 

天ぷらうどんと天ぷらそばの二種類が販売されているのは知っていましたが、残念ながらそばのほうは売り切れでした。

それぞれ230円。

 

さっそく天ぷらうどんを買ってみる。

出来上がりまで25秒、ニキシー管が秒数をカウントダウンしていきます。

このレトロスペクティヴなかっこ良さよ。

 

こんな感じで出てきます。

この汚さも昭和感溢れてますw

 

ああ、これが夢にまで見た自販機うどんか、と感無量w(大袈裟)。

 

 

味のほうはというと普通に美味しかったのですが、こういうのはつゆがどうのとかうどんのコシがどうのとか言うのは無粋ってもんよ。

この雰囲気で食べるのがいいのであり、そしてそれが懐かし自販機の醍醐味なわけです(たぶんね)。

 

で、車中で聴いていた聖子ちゃんのアルバムをわざわざ車から持って来て記念撮影w

40年前の彼女のデビューアルバム。

ジャケが赤くなってるのは聖子ちゃんが照れているわけではなくて(笑)、店のひさしの赤色が写り込んでいるからです。

 

うどんを食べ終えて煙草を一服吸ってる間にも数人の客がうどんを食っていき、ついにはうどんも売り切れになりました。

懐かし自販機、朝っぱらから大人気w

ランプの電球が切れているのか、「うりきれ」が「りき」になっているのも御愛嬌。

 

そして横では朝の六時だというのにトリスのハイボールを飲んでるおっさんw

カップヌードル自販機のビジュアルと合わさって何ともいい雰囲気が出てますな。

 

 

一服したら帰ろうと思ってましたが六時前に店の人がやってきて開店準備をし始め、常連らしきガテン系の兄ちゃんが店の人に「うどんもそばも両方売り切れとるから補充しといてや」と言うと、しばらくしてうどんもそばも補充されました。

なんという僥倖。

この超ナイスなジャストのタイミングよ。

というわけで、自販機に入れたての天ぷらそばも頂きました。

 

 

入れたてのせいか天ぷらは後乗せサクサク感が残ってました。

美味しかったです。

 

 

で、お腹いっぱいで帰宅。

そして去年買った「昭和懐かし自販機巡礼」の本を引っ張り出してきて復習w

 

 

たまにはアルコール抜きでこういうのもいいもんですね。

ひたすら後ろ向きではありますが、何だか若返った気分ですわw