さよなら夏のリセ | A DAY IN THE LIFE WITH MUSIC

さよなら夏のリセ

最近は仕事が忙しくてなおかつ夢野久作「ドグラ・マグラ」をようやく読破してそして友人に教えてもらって某動画サイトで「ドグラ・マグラ」の映画も見て何だか正気なのか狂気なのか夢なのか現実なのか果たして酔っ払っているのか素面なのかいろいろなものがゴチャゴチャして何が何だかよくわからないまま日々は過ぎ夏は過ぎ去り秋が訪れて時の経つのは早いものようのうなどとひとりごちながら夏の終わりに相応しい音楽でも聴こうと思いでもよく考えたら今年の夏は夏らしい夏の日はなく気がつけば夏の終わりすら感じぬままに夏が終わりさてどうしたもんかとなんとなく聴いているのが河合その子なのです。
彼女の4枚目のアルバム「ルージュ・エ・ブルー」は専ら名盤と評価の高いアルバムでまあオレもオビ付きでCD持ってるんだけどこれがどうも個人的にはそこまで気合入れて聴く気になれないアルバムで内容がいいのはわかるんだけど何かこう気軽に聴けないんですよね。
河合その子は単なるアイドル歌手というだけでなくアーティスティックなポテンシャルもあったと思うんだけど結局は中途半端に終わった印象があります。
おニャン子クラブの中ではダントツに可愛いルックスで彼女だけ別格な存在感が当時はあったんだけど第一線で活躍していたアイドル達と比較するとなんだか弱いというか線が細いんですね。
70年代後半にアーティストっぽくデビューしていたら久保田早紀や八神純子に匹敵するとまでは言わないがそれなりのアーティストになれたような気もするし82年にアイドル歌手でデビューしていたならキョンキョンや中森明菜に匹敵するとまでは言わないがそれなりのアイドル歌手としてもうもうちょっとは名を残せたような気もします。
可愛いし楽曲も非常に出来のいいものが多いしシングルもそれなりに売れたんだけどそのわりには印象が薄いんですね。
なんというかいろいろともどかしいです。
彼女の音楽的な才能の開花という意味では後期の楽曲のほうが聴き応えがあるのかも知れませんがアイドルポップスという意味では初期の頃のほうが何も考えずに楽しめたりするのも事実。
というわけでいろんな思いが錯綜してオレは彼女のファーストアルバム「その子」に帰結したわけです。
このアルバムはとにかくジャケが超絶に可愛いと思います。
個人的には80年代アイドル歌謡における最も素晴らしいアルバムジャケットのひとつといってもいいくらい可愛いです。



シングル曲としては「青いスタスィオン」以降の哀愁ヨーロピアン路線の数枚のものがクオリティも評価も高いんだけど初期の舌足らずで拙いキャンディヴォイスで歌われるキャッチーでポップでオールディーズテイストな仕上がりの初期のものがわかりやすくて親しみが持てます。
個人的にはこのアルバムの中で一番好きなのが「さよなら夏のリセ」という曲。
コニー・フランシスの「ボーイ・ハント」を彷彿とさせる夏の終わりを感じさせる切ない佳曲でこの時期に聴くにはピッタリのナンバーですね。



ちなみに「さよなら夏のリセ」という映画もあります。
というかおそらくはこの映画のタイトルをそのまま拝借したんじゃないでしょうかね(^^;


あと、ナンノもデビューシングル「恥ずかしすぎて」のB面曲も同じ「さよなら夏のリセ」というタイトルです。
こちらもちょっぴり切ない青春歌謡に仕上がってます。


てなわけで今年の夏も終わりですな。
というよりも今年は夏がなかったな(^^;