リンドラム | A DAY IN THE LIFE WITH MUSIC

リンドラム

前回のプリンスの新曲の記事camilleさんからコメントを頂いて、その中で紹介されてたのがシーラEによるプリンスの物真似的な動画で、バックに流れるサウンドもいかにもといった感じの80年代中期のプリンス風なものでして、これってリンドラム(Linn Drum)の音なんですよね。



リンドラムというのはLinn Electronics社の開発したドラムマシンのことで、1979年LM-1というのが作られ、そして1982年にはその後継機であるLM-2が作られて以降一気に広まりました。
80年代という時代を象徴するサウンドのひとつであると言えるのではないかと思います。

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多くのアーティスト達が使っていたので当然リンドラムを使った楽曲はたくさんあり、いちいち動画を貼っていくとキリがないのでやめときますが、有名なところではa-ha「テイク・オン・ミー」とかファルコ「ロック・ミー・アマデウス」とかアイリーン・キャラ「フラッシュダンス」とか、デッド・オア・アライヴ「ユー・スピン・ミー・ラウンド」とかがそうです。

マドンナデビューアルバムマイケル・ジャクソン「スリラー」なんかでも使われております。
またワム「ラスト・クリスマス」でもリンドラムが使われており、これからの時期はどこかで耳にする機会があると思うのでヒマな方はリンドラムのサウンドに注意を払って聴いてみて下さい。

このリンドラムを多用し且つ前面に押し出し、それを独自の自身のサウンドと結びつけたのが、そうプリンスですね。
プリンスサウンドなくしてリンドラムは語れず、またリンドラムなくしてプリンスサウンドは語れないと言っても過言じゃないほど使いまくっており、プリンスがリンドラムを多用していたのはだいたい1982年から1987年くらいまでですからプリンスの黄金期のサウンドを支えたのがこのリンドラムであると言ってもいいくらいだと思います。

聴かなくともだいたい想像つくと思うけど、こんな音な↓




プリンスファンはこのリンドラムのビートだけでご飯3杯くらいいけるはずです(笑)
また、ここ数年のアルバム「3121」「プラネット・アース」「MPLSOUND」「20Ten」でもリンドラムを使った楽曲がいくつかあり、プリンスはリンドラムをかなり気に入っているのではないかと思います。


80年代の洋楽においては多くの曲で使用されたリンドラムも日本ではこれはあまり浸透しなかったように思います。
LM-1は当時数百万したそうですから、値段が高くて使えなかったからとか?(^^;
実際にはあちこちで使っていたのかも知れませんが、一聴してそれとわかる楽曲、となるとちょっと思い浮かばないんですね。
80年代でこんな最新の高価な機材を使える人たちというと思い浮かぶのがYMOで、調べてみると1983年の彼らのアルバム「浮気なぼくら」から使用していたそうです。
その頃のYMOの楽曲及び細野晴臣が提供した一連の歌謡曲にも使われていたそうで、有名なところでは松田聖子「天国のキッス」がそうで、下記の動画ではリンドラムを実際にレコーディングに使用したと細野氏本人が言っております。






おまけ:
リンドラムと並んで80年代ポップスのビートを特長づけたのがシモンズ社シンセドラムでしょう。
80年代中期~後期にかけては歌謡曲のみならずロックに演歌、アニメの主題歌でもいやっちゅうほど使われておりました。
後に他社が真似して同じような電子ドラムを売り出したわけですが、あの六角形のパッドのシンセドラムで演奏した代表的な曲はというと、まず思い浮かぶのはC-C-B「ロマンティックが止まらない」ですね。



なんとも時代を感じさせるナウいPVです(^^;