ワシントン広場の夜は更けて / ヴィレッジ・ストンパーズ
WASHINGTON SQUARE / THE VILLAGE STOMPERS
本日紹介する名曲は、1963年のヴィレッジ・ストンパーズの「ワシントン広場の夜は更けて」です。
中学時代のフォークダンスとかで「マイム・マイム」や「オクラホマ・ミクサー」などと共にこの曲で踊ったことのある人もいるかと思います。
ああ、この曲か!ってヤツです^^
フォークダンスで女の子の手に触れるだけで(*´д`*)ハァハァしていたオレの甘酸っぱい思い出とかはどうでもいいとして(笑)、当時のオレは
「どうしてこんなに寂しい曲でフォークダンスを踊らねばならないのか?」
と思っていました。
そして時は経ち、フォークダンスから数年後に再びこの曲に出会いました。
20歳過ぎの頃ですが、当時オレはオールディーズに凝っていて、CDを借りてきては片っ端からテープに録音していたんですが、借りてきたオールディーズのオムニバスにこの曲が入っていたのです。
フォークダンスで踊っていた曲を自分の部屋や車の中で聴くというのは何かちょっとヘンな感じだったんですが、これが意外とイイんですよ。
今となっては自分のテープで聴いていた時期のほうが圧倒的に長くなってしまいましたが、、それでもこの曲を聴くとフォークダンスで女の子の手に触れるだけで(*´д`*)ハァハァしていたあの頃を思い出します^^
あの中学のフォークダンスから20年以上の時を経て、その間いろんな音楽を聴きそして音楽の知識もある程度身についたのですが、改めて聴いてみると非常にユニークな構成の曲です。
前半はエレキ・ギターの静かなコード・ストロークをバックにバンジョーのトレモロが乗っかるというフォーキーなスタイルですが、曲が進むに従ってクラリネットやトランペットなどが被さってきて、ディキシーランド・スタイルのジャズに盛り上がっていきます。
特に前半の主旋律を奏でる
♪テテン テン テレレレレレ♪
というバンジョーの哀愁ある音色とメロディは何とも言えない寂しさがあって実にイイです。
ニューヨークに実際にあるワシントン広場では1950年代の後半、素人のフォーク・シンガー達が集まってジャム・セッションをしており、この曲がリリースされた1963年はすでにそのブームが去っていたらしいのですが、この曲の哀愁を帯びたメロディと前半のフォーキーなアレンジはその辺を意識して作られたんじゃないかと思います。
ああ、だから「WASHINGTON SQUARE(ワシントン広場)」なのか、と。
今から考えると、50年代のフォーク・ブームが去った後にボブ・ディラン がデビューし(1962年)、そしてこの曲がヒットした、というのは大変興味深いことです。
「ワシントン広場の夜は更けて」の黄昏たイメージというのは、そうしたフォーク・ブームの終焉の一抹の寂しさを表現しているかのような枯れた味わいがあります。