ヴォヤージュ / アン・サリー
VOYAGE / ANN SALLY
①O BARQUINHO 小舟
②ALL I WANT オール・アイ・ウォント
③EMOLDURADA エモルドゥラーダ
④THE DAYS OF WINE AND ROSES 酒とバラの日々
⑤VELAS ヴェラス
⑥HE LOVES YOU ヒー・ラヴズ・ユー
⑦MIDNIGHT AT OASIS 真夜中のオアシス
⑧SMILE スマイル
⑨THE FACE I LOVE ザ・フェイス・アイ・ラヴ
⑩BOTH SIDE NOW 青春の光と影
本日紹介するのは、2001年のアン・サリーのアルバム「ヴォヤージュ」です。
これは、彼女のデビュー・アルバムになります。
アン・サリーは、非常に変わった経歴の持ち主で、彼女は在日韓国人であり、本業は医者であり、現在はニュー・オリンズに住んでいます。
そして、耳馴染みの良いポップ/ボサノヴァを聴かせてくれます。
クセのない心地よい透明感のあるヴォーカルが、楽曲・アレンジの良さと相まって、オシャレでリラックス出来る空間を作り出しています。
心の落ち着く名盤です。
ボサノヴァのスタンダード①③⑤(特に①③は名曲です)、
映画の主題歌のカヴァー④⑧(⑧はホリー・コール もカヴァーしています)、
マリア・マルダーの⑦、
ジョニ・ミッチェルの②⑩、
など、とにかく絶品です。
特にオレが一番好きなのは、⑩です。
ボサノヴァ・テイストのアルバムですが、この曲だけが唯一ピアノでしっとりと歌われています。
幻想的で深みのある歌詞と美しいメロディが、ゆったりとしたやわらかなピアノの音色とやさしいヴォーカルと絶妙に絡んで素晴らしい作品に仕上がってます。
青春の光と影
幾重にもなって風に流れる天使の髪
空に浮かぶアイスムリームのお城
いたるところに羽の谷間
そんな風に私は雲を見てきた
だけど今や雲は太陽を遮るだけの存在
そしてあらゆる人の上に雨や雪を降らせる
本当にいろんなことが私には出来たかもしれないのに
雲が私の邪魔をした
私は両方から雲を見てきた
上からも下からも
それなのにどういうわけか
私に思い出せるのは雲のまぼろしだけ
雲がどんなものか
私にはいまだにはっきりとはわからない
涙と恐れ、そして誇らしげな気持ち
大声ではっきりと「愛してます」と言うこと
いくつもの夢と企み、そしてサーカスの人込み
そんな風に私は人生を見てきた
だけど今やかつての友達はよくわからない振る舞い
彼らは頭を横に振って私は変わってしまったと言う
失われたものだってあるけど得たものだってある
日々生きていく中で
私は両方から人生を見てきた
勝ったり負けたり
それなのにどういうわけか
私に思い出せるのは人生のまぼろしだけ
人生がどんなものか
私にはいまだにはっきりとはわからない