こんにちは。
今日は、『成績が伸びるまでにはタイムラグがある問題』というテーマで書いていきたいと思います。
中学受験では、塾によってはほぼ毎月テストがあります。
そして成績によってクラスや席順が頻繁に変わります。
そのため、どうしても模試の順位を上げることに目先がいってしまいます。
しかし、暗記分野であれ、思考力が必要な分野であれ、実力をつけるにはある程度のまとまった時間がかかります。
知識問題であっても、中学受験は範囲が広く、科目も理科・社会を中心に多方面にわたるからです。
国語も漢字、4文字熟語を含め覚えることはたくさんあります。
一番時間のかかる算数で言えば、知識問題であっても、一通りこなすのに早くても3ヶ月はかかると思います。
今まで担当した生徒さんで算数の知識系の問題の習得において、一番早い方で3ヶ月弱でした。
そのかたは算数が偏差値50を切っていたので、特訓が必要ということで、まずは基礎知識をすべて網羅するところから始めました。
最難関女子校を狙っていらっしゃるとのことで、思考系の訓練がいずれは必要なのですが、その前にまずは基礎知識の習得からご一緒しました。
まとまって勉強時間が取れる期間に週3〜週5のペースで基本の暗記分野をこなしていただきました。
大手塾の方も通われながらので、かなりのハイペースで頑張られたと思います。
通常はそこまでハイペースなことは少ないのですが、ご本人様が授業がかなり楽しそうにされていらっしゃったので、3ヶ月という期間ですべての基礎単元をお伝えできました。
実際3ヶ月で中学受験の基礎知識は習得されていました。
中学受験の算数に関しては、基礎単元を完成させるだけでも模試の点数は跳ね上がります。
そのかたも、実際、基礎単元が終わった後の模試では満点を叩き出されていました。
(中学受験算数は、学年が早い段階であれば応用問題の比率が低いので、算数であっても高得点を取れる確率は格段に跳ね上がります。確かに思考力系の単元も鍛える必要はありますが、一方で、お子さんは模試の点数が良くなると、俄然やる気が出てくるので、学年が早いうちであれば、基礎単元をきっちりこなすことで、模試の成績を上げるという選択もありだと思います。)
こういった基礎単元をハイペースで順調にこなせる受験生さんでも、中学受験の算数の基礎習得には3ヶ月程度はかかる印象です。
ペース配分や算数への苦手意識を勘案すると、通常は基礎知識の習得だけでも6ヶ月〜1年はかかると思っておいた方がいいでしょう。
この生徒さんのケースではその後、難関校向けの思考力強化の勉強を始めていきました。
受験までしっかり時間が取れたため、思考系の問題演習もこなすことができ、安定して合格されていました。
基本がしっかり習得できたことと、思考系の問題に取り組めたことが良かった点ですが、もう一つ大きな要因があります。
それは、成績が伸びるまで課題を淡々とこなせていたことです。
カリキュラムが大切なことは大前提なのですが、それ以外に成績が伸びるには課題を積み重ねていくことも必要です。
一つ一つ仕上げていけば、(正しいカリキュラムであれば)必要な知識ラインには辿り着きます。
しかし、成績の伸び方というのは、かけた時間に正比例して伸びてはいきません。
課題を9割以上もしくは100パーセントに近い形まで学習できてはじめて、伸びていきます。
つまり、途中経過の段階では地力はついてきているのですが、さほど成績の見た目では効果が見られないことが多いのです。
このタイムラグが、受験生さんの気持ちを挫きやすいのです。
あれっ、努力しているのに全然伸びない、、、と、勘違いしてしまい、せっかくいいところまで勉強しているのに諦めてしまったり。
これは受験生さんの親御さんにも見られる現象です。
正しいカリキュラムで勉強しているという前提ではありますが、中学受験算数であれば知識系問題の習得は早くて3ヶ月、通常であれば半年〜1年は見ておいた方がいいです。
また思考系問題に関しては1年ほどは実力がつくのに時間はかかると思っておいた方がいいです。
タイムラグがあるということがわかっていれば、目先の結果にジェットコースターのように心が揺れ動くことが少なくなります。
長めのスパンで受験勉強の進捗を考えることができます。
本日もお読みくださり、ありがとうございました。
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