こんにちは。
今日は、『中学受験開始年齢が遅い場合の受験戦略』ということで書いていきたいと思います。
近年、中学受験の低年齢化が進んでいます。
10数年前は、小4スタートがスタンダードでしたし、場合によっては小5以降スタートでも最難関中学校を目指せました。
小6スタートであっても難関中学校を目指せるケースも。
しかし、昨今、小3スタートが標準的です。
では、小3スタート、遅くても小4スタートでないと中学受験で合格を勝ち取るのは難しいのでしょうか?
諸事情により、中学受験の開始年齢が遅くなってしまった場合はどうすれば、いいのでしょうか?
私自身は、受験生さんご本人様が中学受験をしたいという固い意思があるのであれば、中学受験をしていいと思っています。
ただ、その場合、ポイントが何点かあります。
・最難関校や倍率の高い難関校を狙うよりかは、中堅校を検討すること
・基礎訓練を徹底すること
・2科目受験なども考慮に入れていくこと
大きく、この3点です。
1点目の「最難関校や倍率の高い難関校を狙うよりかは、中堅校を検討すること」ですが、
小学校5年生、6年生から中学受験を始める場合、最難関校を目指すのは、よほどご本人様の意思が固く、かつ第3者から見ても中学受験に適した才能を持ち合わせている、かつ、残りの時間を全て中学受験に注ぎ込める環境がある場合に限定しておいた方がいいと思われます。
また、中学受験の遅めのスタートの場合、多くのケースで中学受験に対する情報が不足しているケースが多いです。
『小学校6年生で(特に中学受験の勉強をしておらず、)これから最難関中を目指したいのですが、、』
というお話もお聞きするのですが、あまり無謀な戦いはおすすめしません。
最難関を目指しているライバルたちは、何年も前から情報を仕入れ、準備もしているメンバーばかりです。
その中に、混ざっていくのは相当の力量と覚悟が必要です。
(ごく稀に、天才的な技量を示される方もいらっしゃるので、そのケースは突き進む可能性もあるかもしれません。)
おそらく、塾でも、難しいというようなお話をもらう確率が高いです。
それよりは、合格可能性を現実的に考えられる中堅校近辺の学校を目標にしていく方がいいと思います。
中堅校やその周辺の学校であれば、大学受験まで手厚くサポートしてもらえたり、大学進学実績もいい学校も見つかりやすいです。
2点目の「基礎訓練を徹底すること」ですが、
中学受験をする以上、多かれ少なかれ、どこかの塾に所属することが多くなると思います。
そうなった時に、基礎訓練を徹底的にできるか、言い換えると、他の受験生が応用問題や実践演習をしている中でも、一人辛抱強く基礎演習を繰り返すことができるかがポイントになると思います。
他の中学受験生さんより遅れて、中学受験勉強を開始した場合、中学受験の基礎知識が圧倒的に少ない状態からライバルを追いかけていくことになります。
それは、国算理社、全ての科目において言えます。
中学受験は、覚えないといけない知識量も凄まじいです。
かなりの分量を詰め込みます。
中学受験を遅くからスタートした場合でも、それは同じです。
その部分を周りより遅れてスタートするわけですから、必然的に知識習得期間もズレることになります。
しかし、他の受験生は先に〇〇実践や志望校特訓の講座も受けていたりします。
すると、自分が今やらないといけない基礎知識の習得よりも、周りのライバルが受けている応用講座に目がいってしまい、結果、基礎知識の習得が疎かになってしまいます。
これは、受験生さんご本人もそうですし、親御さんもその傾向があります。
そこをグッとこらえて、一番やらないといけない基礎訓練をしっかりできるかどうか、そこにかかっています。
もちろん、基礎知識を習得できるまでは、模試の点数も一向に伸びないと思いますし、辛抱が必要になります。(お子さんも親御さんも)
ただ、いい意味で周りを気にせず、基礎訓練を受験期まで続けることができた場合、最後の最後、受験の時にきちんと成果が出ます。
ここを辛抱できるのであれば、遅めの中学受験もありかなと思います。
3点目に、「2科目受験なども考慮に入れていくこと」を挙げたいと思います。
これは物理的に、負担が楽になるからです。
時間がない中で4教科をこなすのが難しければ、2科目ということも考えられます。
意外と、4科目受験以外の入試を採用されている学校さんも多くあります。
実際に、私の知っている方も、受験開始が遅くなったケースでこの方法で受かられていました。
その受験生さんの事情によってケースバイケースではありますが、4教科受験以外にも、2科目受験などの選択肢があることを考慮に入れていただければと思います。
中学受験遅めスタート組に共通して言えるのは、中学受験だけに主眼を置くのではなく、大学受験にも焦点を当てておくことです。
確かに日本は学歴主義でありますが、社会的に一番大切な学歴は『大学』です。
社会に出て、あんまり中学、高校の出身校自体を第三者から評価されることは少ないように思います。
それよりも圧倒的に見られるのはどこの「大学」を卒業したかです。
会社内の学閥もほとんど大学で決まっています。
なので、遅くから中学受験を開始する場合は、中学校の最上位を狙うという戦略よりかは、中高一貫校に入った上で、中高一貫校でしっかり勉強して大学で最難関を狙うという戦略がいいかと思います。
実際、そこそこの中高一貫校に入れれば、あとはご本人様の努力次第という部分が大きいです。
最難関中学校に入ったからといって、全員が全員最難関国立大学に行っているわけではないですし、中堅校からも、たくさん最難関大学に入っていらっしゃいます。
中高一貫校は入ってからが勝負!なので、大学受験に向けて入ってから頑張る!という選択肢も一度検討してみる価値はあると思います。
実際、遅めに中学受験をスタートすることは、短期的に中学受験だけのことを考えると少し不利かもしれませんが、長期的に見た場合、そんなに悪いことではないのかもしれないとも思います。
中学受験を早めに始めていると、多少、有利ではありますが、
・受験期まで集中力がもたない
・受験疲れする
・中高一貫校で燃え尽き症候群にかかりやすい
というデメリットも内包しています。
そして、そこに対応できている案外ご家庭は少ないとも思っています。
それに対し、多少不利でも今から中学受験頑張る!ということで、中学受験に参入される場合、
・期間が短い分、集中力が高いまま入試まで迎えることができる
・受験疲れがあまりない
・中高一貫校に入ってから、伸びやすい
というパターンが多いです。
中学受験のいいところは、勉強習慣が身につくところですが、受験勉強開始が遅めのケースは受験疲れすることが少ないので、勉強習慣がついたまま、勉強意欲が高い状態で、中高一貫校生活に突入できるケースがよく見られます。
そのため、中高一貫校に入ってから下克上を起こしやすいのです。
私自身、中学受験は始めたのが小学校6年生という遅めだったので、塾の先生や周りからあれこれ言われ、スタート時は四面楚歌の印象がありました。
しかし、キトンとポイントを押さえて中学受験すると、幸いなことに、志望校にきちんといけました。
その時に、ポイントさえ押さえていれば大丈夫なのだと身をもって確信した覚えがあります。
もちろん、今はその時期より、中学受験開始年齢が早まっているので、遅く始めるのであれば遅めに始めるなりの戦略は、必ず必要です。
ただ、今まで、遅めに中学受験を開始したパターンの生徒さんは、周りから言われたのではなく、自分からやってみようと思ってということが多く、勉強意欲が高い生徒さんが多いです。
モチベーションが高く、きちんと的を得た中学受験の戦い方をすれば、多少受験開始時期が遅くても、これからの人生に有意義な中学受験になる可能性があります。
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