問題を頑張ってやったのに、あまり身についた印象がない、成績がいまいち上がっていないというご相談をいただくことがあります。
せっかく問題を解いたにもかかわらず、このような手応えでは少し物足りないですね。
塾の参考書の問題であれ、自分で選んだ市販の参考書の問題であれ、実はどのような問題であっても、実は問題を「解けること」が大切です。
問題は「仕上げるほどやりきって」初めて成果が出るのです。
言い換えると、中途半端にやっても成果が出ません。
それどころか、時間だけが過ぎてしまう、(その割に成果が上がらず)モチベーションが下がってしまうというデメリットが生まれてしまいます。
これでは、せっかく頑張ったにもかかわらず逆効果ですね。
では、そうならないようにするためにはどうしたらいいのでしょうか。
実は問題を仕上げるには、前述の通り「仕上げきる」ことが大切です。
「仕上げきる」とはどの段階を指すのでしょう?
通常、問題集に取り組まれている時の生徒様を拝見していると、おおよそ次の4段階に場合分けされます。
1段階目:問題が難しすぎて、手も足も出ない
2段階目:なんとなくわかるような気もするけれど、自力では解けない。ヒントがあれば解ける。
3段階目:一応、時間をかければ、自力で解ききることができる。ただし、まわりくどい解き方をしていたり、時間がかかりすぎる
4段階目:スラスラ解ける。自信を持って解ける。説明までしっかりできる。
この4段階目を目指してください。仕上げきるとは、4段回目を指します。
それぞれの段階を少し見ていきましょう。
1段階目であれば、問題集が合っていません。したがって、もう少しやさしい問題集に変えればいいかと思います。
問題は2段階目以降ですが、
2段階目であれば、講師に説明をしてもらったり、解説を読んだ上で、まず自力で解ききる段階(3段階目)を目指しましょう。
この段階はかなり苦戦している段階であり、もしかすると精神的に一番生徒さんにとって辛い段階だと思います。
問題にもよりますが、かなり思考も要求される段階です。
時間がかかっても構わないので、自分の力で問題を理解することを大切にしましょう。
一人で辛いようであれば、親御さんに横についてもらったり、もしくは塾の自習室といった少し環境圧力をかけて(いやでも問題に向き合わざるを得ない状況を作った上で)取り組むと、問題と向き合いやすいかと思います。
この段階が終わり、ある程度自分で解けるようになった時、つまり第3段階からが大切です。
実は、2段回目の苦しい状況から抜け出し、そこそこ解けるようになった第3段階目は、実はテストで点数をとるにはまだ道半ばなのです。
しかも、厳しいのは百も承知なのですが、かなり「道半ば」です。
にもかかわらず、ある程度問題が分かったような気になってしまい、この、そこそこ問題が解ける段階で、ご自分の判断で問題と向き合われるのをやめられる方が続出します。
とてももったいないです。
問題は、理解できた段階ではまだテストで点数を取れません。
テストで点数を取れる段階、つまり、次の第4段階に、自分を引き上げる必要があります。
もちろん、問題にもよりますが、基本的に英語・数学・理科・社会・国語(中学受験であれば、算数・国語・理科・社会)どの科目もそうです。
点数を取れきれる生徒さんとそうでない方の差は、大体ここが大きな分かれ目である気がいたします。
では、点数の取れる第4段階とは、どの段階をもって、合格とすればいいのでしょうか?
算数・数学であれば、もちろん問題にもよるので一概には断定できませんが、
概ね、問題を見た瞬間に、解法が頭の中に浮かび、手が動き出す段階のことです。
つまり、反射的に問題が解ける段階です。
計算問題であれ、文章題であれ、どの問題もこのレベルまで持っていけることが理想です。
いうのは簡単ですが、実はこの第4段階というのは、かなり高度に訓練された状態です。
大抵の場合、第3段階のそこそこ解けた状態で満足してしまいます。
しっかり時間を測って解いていない場合や、自己判断が甘い場合は、この
まあ解けるかなという段階で、その問題と向き合うことをやめてしまいます。
しかし、テストではこの段階では、まず自力では解くのが難しくなります。
なぜなら、この段階ではポイントを自分のものにできていない、時間がかかりすぎるからです。
では第4段階まで持っていくにはどうしたらいいのでしょうか。
答えは、何度も同じ問題をとく!です。
反復練習が最も効果的です。
一見、とても地味に見える反復練習ですが、実はとても大きな効果があります。
2つ大きなメリットが、この反復学習にはあります。
一つは短期記憶を長期記憶に置き換える効果、もう一つは解く時間が圧倒的に短くなる効果です。
何度も解くことで記憶の忘却曲線が、一度きりで解く時よりも緩やかになります。
つまり、思い出しやすくなる状態、自分の中でポイントがはっきり理解できる段階に移行できます。
そしてそれに伴い、問題を見た瞬間から解き終わるまでの時間が急激に短縮されます。
この状態を経て、初めて問題を解けきることができます!
実は大きな差になる、第3段階と第4段階の分かれ目ですが、第3段階まで頑張られている方はかなり多いと思います。
あともう一歩、踏み出しましょう。
第4段階までこれると、景色が変わります。
成果が目に見えはじめて、勉強の楽しさが実感できるようになると思います!