僕はジミースターダストを始めたころにギターを1から見直そうと思って

 

最初はエレキ禁止にした。

 

そして、ドラムが入ってからはエレキに変えたが、エフェクター禁止、ギターソロ禁止で3年ほど。

 

その後エフェクターを使ってギターソロを解禁した時にはチョーキング禁止。

 

そうやって、ごまかしの利かないグルーヴ感を追求するようにした。

 

これはギターを弾く時の話。

 

では、歌についてはどうか。

 

 

僕は自分に適したキーの曲は一切作っていない。

 

歌いづらいキー

 

つまりは低すぎるキーで曲を作っている。

 

(それでも僕の作る曲はキーが高いといわれる。)

 

それは何故かというと

 

 

安定した低音を出す練習をするため。

 

得意ではないキーで曲をたくさん書くことで

 

曲を書ききった時に得意なキーを残して曲作りが停滞した時にようやく得意なキーで曲を書くため。

 

 

つまりは得意なことを最後まで残しておくため。

 

声量を出す練習として体全体を響かせて低音を出すように訓練のつもりで

 

前のバンドからジミースターダストまで、ほとんど自分の得意ではないキーで曲作りをしてきた。

 

たまには自分の得意なキーで作ろう・・・・ということが何度かあり

 

 

ジミースターダストの中で言えば

 

「星屑のメロディー」「砂の城」の2曲が自分に一番合うキーの曲で

 

 

それ以外は全く自分には合わないキーなのです。

 

 

僕は自分の声が高すぎて細い…ということをずっと思ってたので

 

低くて太い声を出す練習のために20年近くを費やしてきたのです。

 

自分が不得意なキーであっても聞く人にはそう感じさせない・・・・ということが大切だと考えたからです。

 

もともと、声量はある方らしく

 

レコーディングでもライブでも僕の声は小さくされています。

 

 

「星屑のメロディー」に関して言うと

 

「メーローディ」と歌う部分でライブのPAさんは「きたきたきた!!!」と言いながら声を下げるのだそうです。

 

そうなりますと本当のキーで歌うとつんざく様にうるさくなってしまうので

 

 

そうならないようにキーを3つほど下げた曲作りをしています。

 

とはいうものの

 

高いキーに魅力など感じてはいないのと

 

いうほどキーも高いわけでもありません。

 

「低いキー」を出すことが苦手だったのです。

 

 

そろそろ、自分に合ったキーの曲も作っていこうかな・・・なんて思って「砂の城」を書いたわけです。

 

今回6月9日に2枚同時にレコ発をしますが

 

実は「君の事」という曲は僕にとっては低すぎて歌いづらい曲…なのです。

 

「さよならガンダルフ」も適正なキーとは言えません。

 

歌いづらさというものを常に背負うことで「お決まりではない歌」に仕上げているつもりです。

 

余裕のある歌い方にならないように。

 

余裕を持つとつまらなくなります。

 

 

それでもちゃんと音圧を出して歌う…ということはできていると思います。

 

声量が足りないということは絶対にありえません。

 

そういう修行を20年してきたのです。

 

歌がある限り、歌をないがしろにしてはいけないというのが僕の考え方です。

 

レコーディングでは僕は歌は1回しか歌いません。

 

一発勝負。

 

「さよならガンダルフ」「悲しみの太陽」「君の事」「夜明けの旅人」

 

全部一回しか歌ってません。

 

 

なので

 

レコーディングで聴ける歌は「ここでしか聞けない歌」が収録されています。

 

何度も取り直すとね、ライブと同じで代り映えのしないものになってしまいます。

 

 

衝動というものが薄れます。緊張感のある歌がなくなってしまいます。

 

 

新鮮な空気というものをレコーディングには残しています。

 

ですからリップノイズも乗ったまま。

 

 

いいんです。そういう作品です。

 

それが「完成品」なのです。