闘病日記 | 小細胞肺癌 闘病記

小細胞肺癌 闘病記

声を失って、初めて肺癌だと知った父。余命半年。
告知までの日々、告知からの日々を残してゆきたい。


父が亡くなって
13日が経った

初七日が無事に済んで

私も母も
少しずつ動き出した

携帯の解約
市役所の手続き
保険の名義変更など
紙上のやりとりではあるが
様々な取り決めがあることを知った。



父の着ていた服
カバン
カメラ
入院していた時に使っていたもの
色々なものが
そのまんま無造作に置かれている
父の部屋で

闘病日記

を見つけた。

そこには、薬剤名、副作用、検査名が
細かく書かれており
気持ちを奮い立たせ
がんばっていた様子が
とてもよく表現されていた。

病状が進んでゆくにつれ
諦めの言葉
お別れの言葉が増え
その辛さは
活字そのものにも現れていた。
段々と
うまく文字も書けなくなり
震えて形にならない字体


それでも父は
書き続けていたんだ。


今は
悲しいとか
寂しいとか言うよりも

複雑でよくわからないけれど

父に触れたいと
常に思う

あの頃
むくんだ脚を何度もさすって
色々話していたように

また父に触れて

優しくしたい

そうやって父を思い出しては
流れる涙も
いつか
時が
解決してくれるのかな


父の闘病日記は
7月26日で
途絶えている

本当に最後まで
自分から目をそらさず
恐がらず
記録していた


日記の最初のページには

儚き我が人生
限られし時間は
日々に感謝し明るく前を見て

こんな言葉で始まっている。

ここから先は
私が受け継いでゆこうと思う


今しばらくは
まだ涙も多いけど

父のように
強くなれるように。