愛・過食症相談室のRayです。

 

 

最近寒くなってきましたね。

 

体を冷やさず温めてあげることも、あなたを大切にすることになります。

靴下を履いたり、カーディガンを羽織ったり、あなたを優しく愛してあげましょう。

 

 

さてさて、今日はインナーチャイルドについてのお話。

 

インナーチャイルドという言葉、あなたは聞いたことがありますか?

直訳すれば「内なる子ども」。

あなたの内側に今もある子供の頃の意識や感覚です。

 

人は子どもの頃に、親子関係の中でたくさんの傷つき、悲しい思い、寂しさ、そして恐さを経験します。その時の感覚は大人になってもずっと心の奥に残っていて、人間関係や人生選択、自己肯定感に影響を及ぼし続けます。

 

そして過食症も、実はこのインナーチャイルドが大きく影響しているのですよ。

 

 

このことを説明するために、先日娘と行った温水プールで見た親子についてお話しします。

 

それは突然私の目の前でおきました。

なんと父親が3年生くらいの息子の頭とお腹をゲンコツで殴ったのです。。。

 

私は目を疑いました。

 

「お前なに初心者レーンで人の迷惑になるようなことしてんだよ💢」

と言って息子を自分の方に引き寄せ頭や腹をゲンコツで殴る父親、、、

明らかに虐待です。しかも何度も執拗に言っていました。

 

3年生くらいの子が何をしたって大した迷惑にはならないし、その子は静かなエネルギーだったのできっと迷惑になることはしていないと思うのです。

それなのに父親は狂気で息子に怒り、ゲンコツで殴っていました。

 

私は恐怖でフリーズしてしまい、その後も平常心では娘と遊べませんでした。(こうして私にも新たなトラウマが作られます、、、)

 

その家族は、殴った瞬間を見ていない人から見れば、家族4人でプールに来ている普通の家族だし、子供に指導している良い父親と見えるかもしれません。

 

男の子は直後こそ少し距離をとっていましたが、その後は父親の側で泳ぎ、笑顔もあって懐いているように見えました。

 

でも私の鋭い感覚で感じてみれば、男の子は心の奥は怯えていて、緊張していて、警戒しています。お父さんが機嫌がいい時はいいけど、いつ豹変してあの狂気が出てくるかわからないのですから、当たり前です。

 

そしてお母さん、、、子供が殴られていても、止めないのですね。

夫の怒りが自分に向くと怖いから、子供に向くなら安心してしまう、放置してしまう、という心理があるそうです。

 


それにしても「人に迷惑かけるな」という一見正論で怒られたら、子供は「自分が悪いから怒られても仕方ない」ってなりますよね。それにしても怒り方が尋常じゃなく狂気の沙汰だとは子供にはわかりません。


 

そのうちお父さんが一人でビート板で泳いでいました。エネルギーを感じ取ると「本当は自分に自信がなく不安で怯えている子供」を感じました。お父さんのインナーチャイルドです。

 

きっとお父さん自身がものすごく厳しく(というか虐待で)育てられて(たくさん殴られたのでしょう)、孤児のようなインナーチャイルドなのだと思います。愛で温めてくれる親はいない中で、ビクビクおどおど生きてきた孤児の男の子。それがお父さんの中身。

 

きっと人をすごく恐れているのでしょうね。だから自分の子供が人に迷惑をかけたように見えた時、気が狂ってしまったのだと思います。


もしかしたら息子が「かつての自分」と重なったのかもしれません。純粋で弱いやわらかい自分。無防備だから人の迷惑にもなっちゃうし、それで親から虐待され続けた自分。自分の中から消してきた本当の自分。

 

息子にそれを感じた時にお父さんの気が狂った。そして自分の気を狂わせた存在(息子)を徹底的に退治した。。。悲しい話です。

 

そして、その家族には妹がいました。。。父親は妹の方にはもっと優しいように見えましたが、だからと言って、妹は安心するのでしょうか?

 

お兄ちゃんかわいそう、、、という悲しい気持ち。

お父さんのあの攻撃性がいつ自分に向けられるかわからない、という恐怖。

お母さんは絶対に守ってくれない、という悲しみ。

お兄ちゃんが犠牲になり自分は助かっている罪悪感。

 

そんなこと感じていたら生きていけないので、全て感じないように蓋をしているでしょう。

でも、蓋の下に蓄積していく恐怖、不安、悲しみ、寂しさ、罪悪感、それはなくなりはしません。

 

もしかしたらいつか恐怖から逃げるために過食症になるかもしれないし、

過食にはならずにただのビクビクおどおどした自身のない女性になるかもしれない。

どちらにしても、本当に愛されて育った場合の穏やかな自己肯定感はないでしょう。

ビクビクおどおどして人の顔色を見ながら生きる人になってしまいます。

 

お父さんの中にも傷ついた孤児のインナーチャイルドが、、、

そして、男の子の中にも、その妹の中にも、傷ついたインナーチャイルドが育っています。

 

これを放っておくと、絶対に本当に幸せになることはできません。

過食に悩む女性のカウンセリングでは、お父さんやお兄ちゃんが攻撃的・暴力的だった話はよく聞きます。その恐怖がずっと心の奥に残っていて、安心することができず、食べ物にいっときの救いを求めてしまう、それが続いて、過食症になっていく、ということがあります。

 

この場合、酷い恐怖を感じていた子どもの頃の自分を救ってあげることが必要です。

ひとりぼっちの寂しさ、孤独のなかで頑張ってきた自分に気づいてあげることが必要です。

 

このような作業をしていくことが、本当の意味で自分を理解し、自分を大切にし、自分を愛し、自分と共に生きていくことにつながっていきます。

 

ちなみに、私は「この父親を簡単に責められる立場にない」とも思いました。

なぜなら私も、傷ついたインナーチャイルドが理由で、子どもたちに不適切な言動をしたことが何度もあるからです。

 

過食症は卒業しても、癒されていないインナーチャイルドはどこまでも人生に影響します。そして子供を産む場合は、子供への攻撃として出てしまいます。

 

それは殴る蹴るではないとしても、表情や言葉に含まれた攻撃性、意地悪さ、冷たさ、などとしても現れ、多くの子供は母親のこれにやられています。

 

殴られたならまだわかりやすいということもあります。そういうことは全くなかったら、親に原因があるってなかなかわかりません。でも親の中の傷ついたインナーチャイルドが原因で、見えにくい攻撃に日常的にさらされているとは、なかなか誰も思わないのです。

 

こういった場合もやはり、何が起きていたのか理解することはとても大切です。

 

 

Ray

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