東京都内の電車の朝の通勤ラッシュって、
大袈裟(おおげさ)ではなくて、
人間で、
押し寿司を作ります。
人間が、ご飯粒だったら、
絶対に、くっついちゃいます。
人間と人間が、
電車の車内で、
ギューッと押し潰されるんです。
駅に着くたび、
降りる駅でなくても、
押し出されたりもします。
ところが、
車内に戻ろうとしたら、
誰かが、
私を引っ張るんです。
私は、
後ろを向きます。
でも、
私を引っ張った人は、
見当たりません。
それで、
急いで、
ギュウギュウ詰めの車内に、
戻ろうとします。
ところが、
また、
私の背中が引っ張られます。
それで、
私は怒ります。
車内に詰め込まれて、
イライラしてましたからね。
「引っ張るの、やめてください!」
ところが、
若い男の人の声が応えます。
「引っ張っているのは、
そっちでしょ?」
私が、
後ろを振り向くと、
やっぱり誰もいません。
ところが、
なぜか勢いがついて、
私は、
駅のホームで、
クルクル回りだすんです。
その間に、
電車のドアは閉められて、
発車してしまいます。
「待って~
遅刻しちゃう~」
私は、
クルクル回りながら、
走り出す電車に、
手を伸ばします。
でも、
なんで、私は、
クルクル回っているんでしょう?
「ちょっと、止まってよ?」
すると、
止まりました。
背後に、誰か、います。
ゾッとします。
それで、
恐る恐る、
顔だけで、振り向きます。
私の背中にぴったりとくっついて、
男の人が立っています。
「なんで私の後ろに立っているんですか?」
「背中が
くっついちゃっているんじゃ
ないでしょうか?」
どうも、
そうらしいです。
「僕、今、服を脱ぎますから」
彼は、
服を脱ごうとしますが、
脱げないようです。
私は、
女なんで、
服を脱ぐわけにはいきません。
「服と服とが
くっついちゃったんですかね?」
「・・・こんなことってあるんだ?」
私も、びっくりです。
彼は、駅のホームで、
なんとか、
服を脱ごうとして、
もがきます。
さっきクルクル回ったのも、
お互い、同じ向きに、
後ろを見ようとして、
勢いがついて、
クルクル回ったらしいです。
服を脱ごうとしても、
回りだしたりするからです。
駅のホームも混雑してますから、
2人で、
回っていたりすると、
みんなに迷惑をかけるんです。
ー つづく ー
あれだけ、
押し潰されたら、
くっついちゃう人って、
いそうですよね![]()
![]()




