夢の鍵に、

お姉さんが、息を飲んでいます。

 

 

・・・・・触ってみてもいい?

 

 

どうぞ

 

 

お姉さんが、

おそるおそる手を伸ばして、

指の腹で、

鍵を、そっと、撫でます。

 

 

・・・ツルツルは、してないのね。

 

唇に、触(ふ)れているみたい

 

 

唇ですか?

 

 

握ってみてもいい?

 

 

いいですよ

 

 

お姉さんが、顔を真っ赤にしています。

 

 

一気に、酔いが回ったかのようです。

 

 

・・・やわらかいのね?

 

 

固くないですか?

 

 

固いけど、やわらかい

 

 

固いけど、やわらかい?

 

どっちですか?

 

 

固いけど・・・

手触りが、やわらかいわ。

 

・・・・・舐めてみてもいい?

 

 

鍵を舐めるんですか?

 

 

舐めるんでしょ?

 

あぁ・・・そうか、

あなた、彼女、いないんでしょ?

 

だったら、知らないか

 

 

女の人って、鍵を舐めるんですか?

 

なんで、舐めるんですか?

 

 

別に、

舐めたいわけじゃないんだけど、ね。

 

でも、

彼氏のいる女の人たちを見て、

舐めているのかしら?って

思っていたのよ。

 

そういうのって、

親密で、いいなぁ~って。

 

わかる?

 

 

僕は、首を傾(かし)げます。

 

 

彼氏のいる女の人たちって、

鍵を舐めるんですか?

 

え?

 

彼氏の鍵ですか?

 

 

彼氏の鍵に決まっているでしょ?

 

 

どんな意味があるんですか?

 

 

意味?

 

 

女神さまが、

意味が、現実を創るって

 

 

喜ばせたいってことじゃない?

 

 

喜ばせたいって意味が、

そういう現実を創っている?

 

 

お姉さんが、

びっくりして、動きを止めます。

 

 

・・・・そうかぁ。

 

私、自分の苦しみばっかりで、

喜ばしたいって、

思ったことがなかったわ。

 

私には、

そういう意味がなかったから、

そういう現実がなかったってことかしら?

 

 

お姉さんが、

左斜め上を見つめながら、

考えます。

 

 

斜視で、

いつでも左斜め上を見つめているんです。

 

 

現実だと思えば、思うほど、

厳しくなるってことも、そういうこと?

 

現実には、

厳しいって意味しかないものね

 

 

僕らは、

無意識に、現実だと思っているって。

 

厳しいってことなのに

 

 

本当に、

喜ばしたいって思ったら、

そういう現実が創られるのかしら?

 

 

なるんじゃないですか?

 

だって、

殺したいって思ったら、

殺し合いになりますから

 

 

そうよね・・・

 

 

それから、

また、顔をあからめています。

 

 

・・・あなたのこと、

喜ばしたいって、

思ってもいいかしら?

 

 

喜ばしてくれるんですか?

 

 

こんな私でも、いいなら

 

 

それも、意味ですよ?

 

 

そうね・・・・本当に、そうだわ。

 

私、

卑下(ひげ)しすぎて、

そういう現実しか創って来れなかったわ

 

 

そう、うなずくと、

お姉さんは、

僕の鍵を舐め始めるんです。

 

 

 

ー つづく ー

 

 

 

ツルツルは、していませんウインクラブラブ