6歳くらいの女の子が、
手榴弾のピンを、
一生懸命に、
引き抜こうとしてるんです。
僕は、思わず、怒鳴ります。
「ダメだよ!」
ところが、
女の子が、ビク!っとして、
かえって、
ピンを抜いてしまいます。
手榴弾って、
ピンを抜いたら、
数秒後に、
爆発するんですよね?
僕は、
女の子の手から、
手榴弾を、もぎ取ると、
窓ガラスに、力一杯、
投げつけます。
窓ガラスを割って、
外に、捨てるためです。
ところが、
閉めた窓の真ん中、
窓枠に当たって、
テーブルの上に、
跳ね返って来ます。
恐ろし過ぎて、
頭の中が真っ白です。
僕は、
女の子を抱くと、
水の中へと、
飛び込みます。
お姉さんに、叫びながらです。
「水の中に潜(もぐ)って!」
僕も、
水の中で、
女の子を守ります。
しーーーーんとして、
ん?
と思った、
あと、
水中なのに、吹っ飛びます。
衝撃波で、
頭が、砕けたみたいになります。
水から、
顔を出して、見ると、
テーブルが、ありません。
女の子は?と見ると、
僕の腕の中で、無事です。
お姉さんは?と見ると、
髪の毛に、
テーブルの、爆破した、
木屑(きくず)をつけています。
「水に、潜らなかったんですか?」
「今の、何?」
「手榴弾ですよ」
「目の前を、破片が、
ぴゅーって飛んで行ったわ」
酔っ払っているんで、
笑っています。
サメは?と見ると、
こちらへと、
向かって来ます。
でも、
避難していたテーブルは、吹っ飛んで、
もう、ありません。
「おしまいだ」
ところが、
お姉さんが、
水に、
片方の頬をつけて、
何かしてます。
水から、腕を抜くと、
水しぶきを散らして、
投げます。
僕は、
女の子を抱いているので、
そのまま、
ベチャっと、
顔に当たります。
取って、見ると、
お姉さんのパンティーです。
水に頬をつけて、
屈(かが)んで、
パンティーを脱いでいたんです。
でも、
パンティーなんかで、
サメとは闘えません。
「どうしろって言うんですか?」
「女が、パンティーなんか、
投げると思うの?」
「投げたじゃないですか?」
僕は、
指で、つまんで、白いパンティーを、
振って、見せます。
「どうして、夢って、
気づかないの?」
でも、水だって、冷たいです。
お姉さんのパンティーだって、
見れば、見るほど、
白いパンティーです。
夢とは思えません。
「物質ってものが、
あると思うから、わからないのよ」
本当に、
物質って、無いんでしょうか?
ー つづく ー
パンツを顔に投げられても、
怒らないのは、
お姉さんだからでしょうね![]()
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