わたし、触ってほしいので、
自分から、
着物の縄(なわ)をほどきます。
わたしの家は、貧しいので、
帯ではなくて、縄です。
でも、乳(ちち)だけは、
豊かです。
男の目玉も、
ふくらますほどです。
「きれいなおっぱいだね?」
女ですから、
ほめられると、うれしいです。
男が、手を伸ばします。
ところが、
男の手が、乳(ちち)の中へと
沈みます。
手を出したり、入れたりします。
「・・・・本当だ、幽霊なんだね?
触れないよ」
「触れませんか?」
「ほら?
ほら? ほら?」
わたしの身体の中で、
手を泳がせてみせます。
「わたしも、
触ってみてもいいですか?」
「いいよ」
どこを触ろうかと思ったんですけど、
せっかく股間で立っているので、
触ります。
握ってみますけど、
握れません。
わたしは、
溜息(ためいき)をつきます。
「入れてほしかったのに・・・・」
「女の子も、そう思うんだ?」
「だって、みんな、
気持ちよさそうだし・・・」
「気持ちよさそうだよね」
「どんなふうなんですか?」
男が、困っています。
「僕、モテなくて、
どんなふうなのか、
わからないんだよね。
生(なま)で、女の子の裸を見るのも、
初めてだし・・・・・」
「わたし、幽霊なんですけど、
生(なま)なんでしょうか?」
「見る限りは、
生々(なまなま)しいよ。
バーチャルリアリティーみたいだ」
「何ですか? それ」
「生きていたのって、いつ頃?」
「昔、昔です」
「そんなに若いのにね」
なんとなくですけど、
わたしたちって、
仲良くなれそうです。
ーつづく ー
仲良くなれると
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