わたしの悩みは、
永遠に若いことです。
だって、もう何百年も、
経(た)っているのに、
16歳のままです。
今でも、娘盛りです。
それで、
いつも、乳(ちち)の奥で、
色情の炎が、ムラムラと燃えています。
女として、焼かれているんです。
地獄から、
出られると思って、
したことで、
こんなことになったんです。
わたしの家は、貧しくて、
父と、母と、妹の、
4人暮らしでした。
わたしは、
物心ついたときから、
売ると言われて、育ちました。
女として、
売られるために、
育てられたんです。
父は、
女というものを、
蔑(さげす)んでいました。
母のことも、
わたしたち姉妹のことも、
いつも、口汚く罵っていました。
わたしたち姉妹の、
目の前で、よく、
母を犯しましたし、
ときどき、わたしまで、
父のものを、
くわえさせられました。
わたしたち、女たちは、
自分たちの無力さに、ただ、ただ、
怯(おび)えていたんです。
でも、そんな中でも、
わたしは、わたしにも力があると、
思っていました。
自分を無くす力です。
毎日、
父に怯(おび)えて
生きていたんですけど、
この力でなら、
父に勝てると思っていました。
その力だけを頼りに、
生きていたんです。
16歳になったとき、
いつになく、父が、やさしくしたので、
わたしは、売られると、
わかりました。
それで、
わたしは、わたしの力を
使いました。
わたしにも、
力があるということを、
父に見せるためです。
復讐のためです。
石を、たくさん、
懐(ふところ)に抱いて、
水の中へと飛び込んだのです。
ー つづく ー
夏ですので、
ちょっとHな幽霊話です![]()
![]()




