お姉さんは、指で、
クリクリしながら、
女の子の、これは、物質ではないって
言います。
いじっていると、
無限の空間を、感じるんだそうです。
これが、
ここに、あるのは、たまたま、
らしいです。
そのうえ、
お姉さんも、たまたま、
ここに、いるんだそうです。
だから、
いじっていると、
消えるらしいです。
もちろん、
そんなわけないです。
お姉さんは、
着ていたものを、
すべて、脱ぎ捨てています。
真っ白い裸体です。
お姉さんは、
女の子の、それを、真珠みたいって、
言ったんですけど、
お姉さんの方が、
透きとおりそうで、白く輝いて、
真珠のようです。
いじりながら、
苦しそうに、甘い声を出します。
両手の、ほかの指で、開いて、
皮をむいて、人差し指で、
いじっています。
甘く、苦しそうに、
僕を見つめます。
「・・・・ちゃんと、
見ててよ?」
むしろ、見ないではいられません。
「・・・・・消えるんだから」
「イクって、ことですよね?」
お姉さんが、苦しげに、
うなずきます。
「・・・・そう、イクの。
出て行くのよ。
この思い込みから・・・」
「思い込み?」
「物質っていう思い込み・・・・
だって、ちゃんと、
ここに、いるって、
思っているでしょ?」
「ちゃんと、ここに、
いますよ」
首を横に振ってみせるんですけど、
感じているから、とも見えます。
「・・・・それが、思い込みなのよ?
物質という誤解なの。
私たちは、物質じゃないのよ」
「だったら、
何なんですか?」
「物質を、物質だと思うから、
囚(とら)われてしまうの。
固定観念みたいなものよ。
物が、そこに、あるのは、
物質という誤解のせいなのよ」
そんなことを、
甘く、かすれる声で、
言うんです。
ー つづく ー
女の子って、
かすれさせることができるのが、
すごいです![]()
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