でも、触っていますよ?

 

 

だって、お姉さんは、

人差し指の腹で、

白く淡い粒のようなものを、

クリクリしているんです。

 

 

僕の目の前に、

真っ白い太ももを、開いて、

立てています。

 

 

お姉さんの息が深いです。

 

 

遠くを見つめます。

 

 

物質だったら、触ったら、

そこにあるものでしょ?

 

でも、これは、

ここに、ちゃんと、ないの

 

 

でも、なかったら、

触れないですよ

 

 

この空間だけじゃないのよ

 

 

だったら、どの空間にあるんですか?

 

 

私たちって、

この空間だけだって、

思っているでしょ?

 

でも、空間って、

無数にあるのよ。

 

たまたま、この空間なのよ

 

 

たまたま、ですか?

 

 

これを、ね、こう・・・・

いじっていると、ね、

この空間の私って、

私の、ほんの、1つだって、

わかるの

 

 

僕には、まったく、

わかりません。

 

 

この私って、

たまたま、この私なの

 

 

たまたま私って、

何ですか?

 

 

可能性の1つって、ことよ

 

 

もっと、わかりません。

 

 

物って、

そこに、ちゃんとあるものでしょ?

 

そこに、ちゃんとなかったら、

物って言わないでしょ?

 

 

言わないですね

 

 

でも、これは、ね、

ちゃんと、ここに、ないの。

 

って言うか・・・・

これに、触れると、

無数の空間が立ち現れるの。

 

無数の次元が現れるの

 

 

次元も、ですか?

 

 

平面的じゃないのよ。

 

立体的なの。

 

あらゆる次元に渡って、

存在しているってことが、

わかるの

 

 

お姉さんが、

思索を探るようにして、

クリクリしています。

 

濡れた襞(ひだ)も、

指で、なぞります。

 

 

・・・・・こうしていると、

わかるの。

 

・・・わかるのよ

 

 

そう、感じているって

だけですよね?

 

 

だから、今、

消えてみせるから。

 

ここに、私がいるのは、

ここに、私がいるって、信じている

だけなのよ。

 

そこに、あるって、

思い込んでいるのが、物質って

ことなのよ

 

 

そう言うと、

本気を出すつもりか、

シャツを脱ぐと、

ブラジャーも外すんです。

 

 

 

ー つづく ー

 

 

 

 

いよいよ、

本気を出すんですねウインクラブラブ