キレイなお姉さんに、

いきなり、

部屋に呼ばれました。

 

 

お姉さんの後ろを歩いて、

スカートが揺れると、

僕の胸の中が、揺れます。

 

 

お姉さんの部屋へと行く道です。

 

 

梅雨の晴れ間の、

真夏のような日差しに、

僕の影も揺れています。

 

 

僕、今、姉の部屋に、

居候(いそうろう)しているんですけど、

姉が、都会は、怖いから、

気をつけろって言うんです

 

 

僕は、大学の、浪人中で、

田舎から、都会に出て来たばかりです。

 

 

お姉さんの部屋に行ったら、

怖いお兄さんが来たりしないですか?

 

 

私に、兄はいないわ。

 

妹なら、いるけど

 

 

そういうお兄さんじゃなくて

 

 

だから、いないわよ

 

 

彼氏さんは、いるでしょ?

 

 

いたら、ひとりで、

しないわよ。

 

いても、するのかしら?

 

 

そんなにキレイなのに?

 

 

お姉さんが、僕を見上げて、

嬉しそうです。

 

 

私も、そう思うんだけど、

彼氏できないのよね。

 

あなたのお姉さんって、

彼氏、いるの?

 

 

います

 

 

そうなんだ。

 

どうして、私、できないのかしらね。

 

できたことないのよ。

 

女っぽくないのかしら?

 

 

女っぽいですよ

 

 

お姉さんが、笑います。

 

 

でも、きっと、

どこか、違うのよね?

 

 

キレイ過ぎるんじゃないですか?

 

 

あなたのお姉さんも、

キレイでしょ?

 

あなたを見れば、わかるわ

 

 

美容師、しているんです。

 

だから、オシャレはしてますけど

 

 

へぇ~、美容師さんなんだ。

 

お姉さんと暮らすって、どう?

 

 

どう?って

 

 

するとき、気を使ったりしないの?

 

 

するとき?

 

 

お姉さんが、

素朴な疑問顔になります。

 

 

お姉さんって、

彼氏がいても、するの?

 

 

どうかな?

 

 

声、聞こえない?

 

 

聞こえませんけど

 

 

男の子って、声、出すの?

 

 

・・・・出しませんけど

 

 

出さないの?

 

 

出(で)ませんけど

 

 

え~って、目を見開いて、

驚いています。

 

 

私が、するとこ、

見せてあげるから、

そのあと、

見せてくれない?

 

 

なんで、ですか?

 

 

見たことないのよ。

 

弟も、いないしね

 

 

僕の姉だって、

見たことないですよ

 

 

僕がムキになって言ったら、

お姉さんが無邪気に笑うんです。

 

 

ー つづく ー





無邪気に笑われても、ねウインクラブラブ