17歳の彼女から、

デートに誘われるんですけど、

待ち合わせの場所に着くまでに、

何度も吐きそうになります。

 

吐きそうになるくらい、

彼女が醜いわけではないです。

 

彼女も、かわいいんですよ。

 

胸だって、大きいです。

 

腕を組んで歩いていると、

彼女の胸が揺れて、

僕の腕に、ぶつかるほどです。

 

ぶつかる感触としては、

大きなリンゴみたいです。

 

正直、

女の子の肉体って、

こんなに魅力的なんだって、驚いています。

 

数学ばかりしてきた僕には、

未知数です。

 

でも、

彼女と、猫と、

どちらが賢いか?

 

猫です。

 

方程式を解かせたら、

猫の方が解けるんじゃないか

って思えます。

 

人間的にも、

猫の方が優れています。

 

猫に、人間的って、わかりませんよね?

 

でも、僕の猫は、人間的です。

 

愛するとか、思いやるとか、

するんです。

 

僕が、17歳の彼女と、

付きあえば、付きあうほど、

悲しみを深くします。

 

美しい女(ひと)が、悲しむようです。

 

悲しむのは、愛の深さゆえです。

 

たましいが、美しいんです。

 

尊敬できるほどです。

 

たましいが美しいと、尊敬できるって、

わかりますでしょうか?

 

それを、僕に、教えてくれました。

 

人間だけが尊いと、

思うのは、思い上がりです。

 

でも、猫と、

結婚するわけにはいきませんよね?

 

何度も、そう考えました。

 

迷いました。

 

でも、僕が、

17歳の彼女とつき合っているのは、

彼女の肉体に惹(ひ)かれているだけです。

 

そんな自分への嫌悪感から、

吐きそうになるんです。

 

本当に愛しているのは、猫です。

 

大事なのは、たましいだからです。

 

それで、僕は、猫を選ぶんです。

 

美しいたましいを、

悲しませたくなかったからです。

 

 

 

ー つづく ー

 

 

 

9話を読んでくださいねウインクラブラブ